開運につながる縁起物「むくり鮒」作り 川西町で最盛期 出荷量過去最多に
甘じょっぱい味とさくさくとした食感が特徴で冬の縁起物などとして親しまれている置賜地方の郷土料理「むくり鮒」作りが今、山形県川西町で盛んに行われています。
「むくり鮒」は、冬場のタンパク源として食べられてきた置賜地方の郷土料理です。フナの背を開いて作ることから、“運を開く”開運につながる縁起物としても親しまれています。
川西町の加工センターではこの時期、毎日およそ40キロの「むくり鮒」が作られています。
じっくりと焼いた後、サクサクとした食感に仕上げるため油で2度揚げします。
玉庭農産物加工センター鈴木孝司さん(2度揚げると食感も違う?)「違う。2度上げることで骨までサクサクになる」
最後に、醤油や砂糖などを合わせた秘伝の甘辛いタレをからめて完成します。
近年は置賜地域以外でも知名度が上がっていて、今年度は例年に比べ2割ほど注文数が増えているということです。
玉庭農産物加工センター鈴木孝司さん「県内の注文が増えている。特に村山地方の方からの注文が増え出荷高としては過去最高」
一方で、物価の上昇に伴ってフナのエサ代や揚げる際に使う油の価格が2倍近く高くなるなど、製造コストが増加しているといいます。
加工センターでは、製造の過程で一部が欠けたり形が不揃いなフナを「訳アリパック」として販売して売り上げを確保し、通常商品の価格を変えずに対応しているということです。
玉庭農産物加工センター鈴木孝司さん「ことし1年が良くなるよう家族みんなで運が開けることを願いながらおじいちゃんおばあちゃんからお子さんまで食べていただきたい」
むくり鮒作りはことし3月まで続き、川西町の農産物直売所「かわにし森のマルシェ」や県内のスーパーマーケットなどで販売されています。