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侵攻から3年「毎日空襲警報」 かつて米沢市に避難のウクライナ人男性が現地の状況と市民の思い語る

2025年2月24日 18:11
侵攻から3年「毎日空襲警報」 かつて米沢市に避難のウクライナ人男性が現地の状況と市民の思い語る

ロシアがウクライナに侵攻し24日で3年が経ちます。これまでに両軍で数十万人規模の死傷者を出し、ここにきてアメリカがウクライナ抜きの和平交渉をはじめ事態は混迷しています。現地の状況と市民の思いを元山形県米沢市在住で現在、首都キーウに住む研究者の男性に聞きました。

ロシアによるウクライナ侵攻が始まってからきょうで3年。

ウクライナの首都「キーウ」在住のオレグ・ディミトリエフさん。オレグさんはおととし5月まで米沢市の山形大学工学部で電気化学の研究をしていました。現在はキーウで生活しています。

オレグさんに現在の生活について聞きました。

ウクライナ在住オレグ・ディミトリエフさん「戦争が始まって3年が経ったが、私たちはまだ戦争が続く状況下にいる。ウクライナの人たちは窮屈で余裕がありません。ウクライナ人は戦争が続くことを望んでいないが諦めたくない。それが戦い続ける理由」

オレグさんは通常の生活を送りながらミサイルの攻撃に備える毎日だと話します。

ウクライナ在住オレグ・ディミトリエフさん「生活をする中で、毎日空襲警報がなっている。ドローン(無人機)やミサイルの攻撃もあって誰もがどこに飛んでくるか分かりません。この戦争で毎日軍人だけでなく、民間人の命も奪っている。きょうの夜もドローンの攻撃がありウクライナの都市で数人が殺された。この生活は異常です」

そんな中、アメリカのトランプ大統領は突如として、ウクライナにこれまで支援した金額に見合う見返りを要求しました。

トランプ大統領「我々が支援してきた金額に見合うものを提供して欲しい」「レアアースや石油など手に入る物なんでも要求している」「合意にかなり近づいている」

和平交渉を「ディール」=「取引」だと主張するトランプ大統領。現在、ウクライナ抜きでの交渉が続いています。

ウクライナ在住オレグ・ディミトリエフさん「ウクライナ国民はトランプの行動に失望している。トランプはアメリカがウクライナを助けると言うが、見返りで必ず天然資源を渡さなければならないと言う。彼は、ウクライナの人々が自分たちのためだけではなく、人権のために戦っているのを忘れている」

一方で、ウクライナのゼレンスキー大統領は23日、NATO=北大西洋条約機構に加盟できれば辞任もできると話しました。

ゼレンスキー大統領「ウクライナの平和のためなら私は辞任する用意がある。辞任するのであれば、NATO加盟と引き換えることができる」

和平交渉がロシア寄りになりつつある中、戦争を終わらせるために最善の方法は何か。オレグさんはこう話します。

ウクライナ在住オレグ・ディミトリエフさん「プーチンはこの戦争を始めたが、彼のゴールに(目標)達成していない。しかも彼は何千人もの命を奪った。例えば、現時点で戦争を止めるためにプーチンにウクライナの領土を与えたとしても、ロシア国民が幸せにならないと思う」

停戦への最善の道は見い出せていないといいます。

最後に日本の視聴者へのメッセージを聞きました。

ウクライナ在住オレグ・ディミトリエフさん「私は米沢で6か月間過ごしました。そこで多くの友達ができました。ウクライナへ絶えない支援をしてくれている日本のみなさんにはとても感謝している。日本は、医療やエネルギー生成、個人の保護など、ウクライナに多くの物を提供してくれている。ウクライナ人は、支援に感謝しています」

最終更新日:2025年2月24日 19:23
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