暖冬で雪解け早くクマの個体数調整があまり機能せず 西村山地域は13頭上限も2頭
73歳の男性が11日、クマに襲われる被害があった山形県西川町の月山で例年、春に行われているクマの捕獲を巡り、ことしは暖冬の影響で捕獲数が減少したことがわかりました。地元の猟友会は「捕獲数の減少がクマの出没の増加につながっている可能性がある」と話しています。
西川町志津の月山スキー場・姥沢駐車場付近の山中で11日、川西町の73歳の男性がクマに襲われけがをしました。地元の猟友会によりますと、西川町の月山では毎年4月から5月にかけて1か月間、個体数調整のためクマの捕獲を行っています。
例年、クマを6頭捕獲していますが、ことしは、暖冬の影響で2頭しか捕獲できなかったといいます。
その理由として、例年は、岩や木などの障害物が積雪によって埋まっていますが、ことしは雪が少ないために障害物が現れ、猟友会のメンバーが山の中での移動が難しかったためということです。
県猟友会・悪七美男副会長「雪の上だと結構歩けるのだが、暖冬で雪が少ないため山の奥に入れなかった状況。2頭を捕獲することで精一杯だった」
猟友会は「捕獲数の減少がクマの出没の増加につながっている可能性がある」と話しています。
県は西川町のほか、寒河江市や大江町、朝日町などの西村山地域全体で捕獲できるクマの上限数を13頭としています。しかし、ことし春に捕獲したのは月山で捕獲された2頭のみだったということです。月山と同様にほかの地域でも雪不足によって捕獲の際の移動が難しかったことが要因とみられています。
猟友会によりますと、西川町ではことし、クマの捕獲数が減ったことで、生息数が増えたとみられ、里に下りてくる個体も増加しているということです。