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自然と触れ合う学び舎 白鷹町の「教育の森」を再生 自分の体験を子ども達にも

2024年7月8日 17:44
自然と触れ合う学び舎 白鷹町の「教育の森」を再生 自分の体験を子ども達にも

白鷹町の鮎貝小学校すぐそばにある「教育の森」。子どもたちが自然と触れ合いながら学び、遊ぶ場所として親しまれてきました。今、施設の老朽化などにより使われる機会が減ったこの森を再生しようと、この場所で育った大人たちが立ち上がり、再整備に取り組んでいます。

白鷹町の鮎貝小学校の裏山。「教育の森」です。7月5日。児童たちが森の中を走る通称「森走」が行われていました。児童らは、木漏れ日が差す森の中を元気よく駆け抜けます。

先生「頑張ろう頑張ろう!」児童「イエイ!」
児童(どこがお気に入り?)「木の上を走るところ」「教育の森はめっちゃいいところ。特別感がある」

先生「(森走は)体育とも違うし森を走る気持ちよさも感じているみたい。 クラブ活動では池で釣りもしたりしてなかなか他の学校ではできないかな」

鮎貝小学校の裏山にある「教育の森」は、自然の中で子どもたちの感性や体力を育む場として、整備されました。およそ8ヘクタールの敷地内では、生き物の観察から仲間たちとの炊事体験など、「第2の学び舎」として子どもたちや地域住民に親しまれてきました。しかし、近年は施設の老朽化に伴い、ササが生い茂る荒れた森に。使われる機会は、減りました。

鮎貝自彊会後藤敬一郎理事長「教育の森は昭和50年(1975年)前後から子どもたちのために地域で代々伝えてきた土地だったが雑草や色んな雑木が増えたことでクマの出没もあったため子どもたちが自由に使える場所ではなくなってきていた」

鮎貝小学校PTA会長の佐藤真光さん(41)は卒業生の1人です。かつて「教育の森」で仲間と過ごした記憶は、今も鮮明に残っています。

鮎貝小学校PTA会長佐藤真光さん「沼の上にターザンロープがあった。途中で止まって沼に落ちた人はかなりいる。それが思い出になって『昔ターザンロープしたよね落ちただろ?』って話になる」

自然の中で遊び、学ぶことができる教育の森を何とか再生し、子どもたちの健やかな成長につなげたい。そんな思いから小学校のPTAや地域の人達が、ことし、県の補助金も活用しながら本格的な再生に乗り出しました。

鮎貝小学校PTA会長佐藤真光さん「自分たちは鮎貝小の裏山で育ってきた。大人になって今思うとすごく特別なことだったんだなと思った。こんな素晴らしい環境があるのなら自分たちの子ども世代や将来ここで育つ子どもたちにも同じ体験をしてほしいという思いで今回の整備事業につながった」

教育の森が最も使われていた開園当時の地図です。かつては、森全体を活用した行事やイベントが行われました。しかし、新型コロナの流行によって親子が参加する行事などが中止に追い込まれます。現在は、「メダカ沼」周辺のみが子どもたちの活動に使われています。
今回の事業では、白鷹町を一望できる見晴台やカレー作りなどを体験する炊事場。それらをつなぐ山道が再整備されます。
6月、PTAや地域住民など合わせて80人が集まり、山道のササなどを刈り取り道を整備しました。

鮎貝小学校PTA会長佐藤真光さん「昔ああしたこうしたと作業しながら話して協力させてほしいという方も結構いて上の世代の方々は『保護者の時にやったことを30年後にやっているとは思わなかった』とか最終的には鮎貝小の校長先生も下草刈りすると言ってくれてここまで人がそろうとは思わなかった」

こうした整備は、子どもたちが歩きやすくなることに加え、クマの出没も防ぎ子どもたちの安全安心な活動につながります。今後は徐々に整備範囲を拡大し、いずれは、自然学習会もできるような「教育の森」の再生を目指します。

鮎貝小学校PTA会長佐藤真光さん「色んな世代の人が教育の森を活用してみんなが交流できる場。そしてみんなが参画して作る教育の森になれば地域の活力が生まれるのかなと思っている。自分たちの心の故郷「教育の森」と大人になってから胸を張って言えるような教育の森になってほしい」

地域で受け継がれてきた第2の学び舎「教育の森」。かつてこの場所で過ごした大人たちが今度は、子どもたちのために学び舎再生に汗を流します。

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