大雨による山形県内の農林水産被害額273億円 風水害として過去最大 だだちゃ豆も4割減
ことし7月末の大雨による山形県内の農作物や農業用施設などの被害額がおよそ273億円にのぼることが3日、分かりました。風水害としては過去最大の被害額となります。
これは県議会・農林水産常任委員会で県が明らかにしたものです。
県農林水産部・星里香子部長「10月2日時点の被害総額は約273億円で記録が残るなかでは風水害として過去最大の被害額」
県によりますと、ことし7月末の大雨による県内の農林水産被害額は2日午前10時時点で33市町村合わせて272億5100万円に上ります。これは風水害として過去最大の被害額となるということです。
作物別にみると水稲が19億6000万円、野菜が7億、果樹が1億5700万円となっているほか、パイプハウスや畜産関係施設といった施設関係の被害が6200万円です。地域別にみると最上が136億9700万円、庄内が120億8500万円、村山が10億9100万円、置賜が3億7800万円となっています。
県農政企画課・鈴木陽課長「現時点でほぼすべての市町村から被害の数量等については報告はあるが一部、例えば農機具の関係などまだ調査が進んでいない。そのため、金額については算定が終わっていないところもあって増える可能性がある」
一方、今シーズンの県産米の収量について県の担当者は平年並みからやや多くなるとの見方を示しました。しかし、7月の大雨で冠水した田んぼは、収量の減少が予想されています。またことしの一等米比率は今のところ例年通りの9割ほどが見込まれていて、猛暑の影響で大幅に比率が下がった去年に比べ改善が予想されています。
また、鶴岡市は7月の大雨による農作物被害を独自で調べた結果、被害額の推計が令和に入って起きた自然災害の中で最も多かったと発表しました。
皆川治鶴岡市長「被害面積が約2000ヘクタール被害額が約5億円、特に水稲、大豆、枝豆の被害が多かった」
このうち豆は、だだちゃ豆を中心とした市内全ての枝豆畑、516ヘクタールが浸水・冠水し、被害額は3億4400万円以上になると推計されます。収穫量は平年と比べておよそ4割減りました。また、大豆の被害額はおよそ4500万円に上ると推計されています。
一方、主食米用の水稲は、市内全域の5パーセントにあたるおよそ430ヘクタールの田んぼに冠水被害や土砂流入があり、被害額は7260万円にのぼります。
鶴岡市は9月市議会で総額1860万円の補正予算を組み復旧や災害対策事業への支援金の拡充を図ります。