山形大教員による蔵王の無断伐採 学長らが陳謝 国「見直しを」教員「聞いた自覚ない」主張に食い違い
山形大学農学部の教員が蔵王の樹氷を形作る「アオモリトドマツ」の枯れ木、56本を国に無断で伐採していた問題で大学の玉手英利学長が5日、臨時の記者会見で陳謝しました。一方、関係者の主張に食い違いもみられることから引き続きいきさつを調べることにしています。
山形大学・玉手英利学長「関係者の皆さまに多大なるご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます」
この問題は、山形大学農学部の教員がことし10月、蔵王ロープウェイ「地蔵山頂駅」付近で、樹氷を形作る「アオモリトドマツ」の枯れ木、合わせて56本を国の許可を得ないまま、無断で伐採していたものです。一帯は蔵王国定公園の「特別保護地区」になっていて、伐採を行う際は事前に国と県の双方から許可を得る必要があります。
問題を受け、大学は臨時の記者会見を開きました。会見には玉手英利学長と渡部徹農学部長が出席し、教員が枯れ木を伐採した理由やいきさつを説明しました。
渡部徹農学部長「アオモリトドマツは健康状態さえよければ虫によって枯れることなはない。枯れた木の中を調べるといつから健康状態が悪くなったか分かる。教員は枯れた木のサンプルが欲しかった」
大学の聞き取りに対し山形森林管理署は「事前の申請では伐採する木の本数が100本と多いことなどから教員に対し見直しを求めた」と話しているのに対し、教員は「見直しについて聞いた自覚はない」「県の許可だけあれば伐採してもいいと思った」などと話しているということです。
玉手英利学長「一般論としていえば違法に取得した資料で発表したり論文を書いたりしても認められない。してはいけないというのは当たり前。認識というか意識形成できていなかったということに関してはある程度範を示す者としては何らかの処分が必要」
大学では、双方の主張に食い違いがあるとしてさらに詳しくいきさつを調べています。