線状降水帯も発生 恐怖や不安を感じながら避難所に 山形県内で経験したことのない大雨
山形県内でおよそ2年ぶりに発表された大雨特別警報。これまでに経験したことのない雨に住民たちは、恐怖や不安を感じながら避難所に身を寄せました。
午前8時半すぎの酒田市内。前が見えないほどの雨で道路が冠水していました。
鶴岡市内でも地面を叩きつけるような雨となり、車が水しぶきを上げて走っていました。
午前8時ごろから1時間に80ミリ以上の猛烈な雨を降らせるような雨雲が、庄内地方や最上地方に次々と流れ込みました。
大矢賢悟記者リポート「金山町を流れる金山川です。これまで降った大雨で濁流となっています。また、時折、雷も鳴っています」
川は急激に増水し、濁流となりました。
酒田市内では、川からあふれた水が住宅のすぐ近くまで迫っていました。
三川町では道路が冠水し、タイヤが水に浸かって動けなくなった車が複数台ありました。
一部の地域に避難指示が発表された金山町の避難所には、住民が身を寄せていました。
避難した人「家の後ろに沢があって、止めてあったが、それを超えて流れてきた。こんなに出ていたんだと思って外に出てきた」
午後になっても次々と流れ込んだ雨雲。線状降水帯も発生しました。そして・・・。
山形地方気象台 有賀孝幸台長「山形県の酒田市と遊佐町に大雨特別警報を発表しました。これまでに経験したことのないような大雨になっています」
午後1時5分、気象庁は庄内北部の酒田市と遊佐町に「大雨特別警報」を発表。県内での特別警報の発表は、置賜地方に甚大な被害が出たおととし8月3日以来2回目です。
やむことのない雨。酒田市内の住宅地の道路は川のようになっていました。酒田市や遊佐町では、住宅の床上、床下浸水の被害が多数出ているということです。
酒田市に初めて発表された大雨特別警報。こちらの避難所にはおよそ70人の住民が身を寄せました。
避難した人「すごかった。時間ごとに川の水位が上がって、これは危ないと感じて避難した」「怖かった」「会社で指示が出て退社していいということで、上がらせていただいた。避難所に来る道中の道路は市内もひどかった。仕方がないことなので、安全が確保できるまではいようと思う」
午後になっても各地で激しく降り続いた雨。県庁では、午後3時すぎから災害対策本部の会議が開かれました。
吉村知事「県として最大級の警戒態勢を配備するため災害対策本部を設置した。県民の命を最優先とし、市町村や関係機関と連携し、県民に、暗くなる前の早めの避難を呼びかけながら避難者の安全確保を」
県は、被害の全容把握を急ぐとともに、大雨特別警報が出されている酒田市と遊佐町に災害救助法を適用し、避難所に届けられる食料の費用などを支援する予定です。
防災無線「新庄市内全域に警戒レベル5、緊急安全確保を発令しました」
25日午後6時現在、遊佐町と新庄市の全域、そして酒田市の八幡地区に警戒レベル5の「緊急安全確保」が発表されていて、各自治体は住民に対し、命を守る行動を呼びかけています。県内では、26日明け方にかけ、大雨に対する厳重な警戒が必要です。