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山形大医学部の東日本重粒子センター 年間の治療患者数が目標の600人を超える 6月から保険適用も

2024年5月9日 18:19
山形大医学部の東日本重粒子センター 年間の治療患者数が目標の600人を超える 6月から保険適用も

東北以北で唯一のがんの重粒子線治療施設となっている山形市の山形大医学部・東日本重粒子センターで昨年度1年間に治療を受けた患者の数が目標の600人を超えたことがわかりました。今後は海外の患者の受け入れの拡大などを見込んでいます。

山形市にある山形大学医学部東日本重粒子センターは、重粒子線をがんに照射して治療する東北以北では唯一の施設です。現在は肺や肝臓がんなど合わせて16種類のがんの照射治療を行っています。総工費は150億円で、収支の採算ラインとして2021年の稼働時から年間600人の患者の治療を目標としていました。
山形大学は9日、東日本重粒子センターで昨年度、治療を受けた患者が目標の年間患者数600人を超える662人だったと発表しました。

山形大学医学部東日本重粒子センター岩井岳夫センター長「2027年度までに、年間の重粒子線治療患者数600人を目標に掲げていた。本格稼働から2年目になる昨年度に達成することができた」

患者の内訳は、県内が470人、県外が189人で、県外の患者の大半が東北地方在住だということです。また、海外からも3人の患者が訪れました。1年間に受け入れ可能な患者数は約800人で、今後は、タイや中国など海外からの患者の受け入れ拡大を見込んでいるということです。

山形大学医学部東日本重粒子センター岩井岳夫センター長「県内の方には、重粒子センターを知ってもらっている。県外の患者さんにはまだまだ届いていない。皆さんに知っていただけるような活動を続けていきたい」

また、6月からは新たに早期肺がんを含む3つの疾患が医療保険適用になります。保険が適用になることで適用前は治療完了までに300万円を超えていた医療費が、10万円以下になる疾患もあるということです。
岩井センター長は、「腫瘍が大きく摘出手術ができない状態になっている場合でも、重粒子線治療を行うことで摘出手術が可能な大きさまで腫瘍を小さくできるケースもある。今後はがん治療の選択肢の1つとして重粒子線治療を考えてほしい」と話しています。

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