縄文土器片を大量に廃棄 少なくとも1000点以上 新庁舎への引っ越しで 山梨・西桂町
西桂町の職員が町内の遺跡で発掘された大量の土器の破片を、誤って捨てていたことが分かりました。県文化財への指定に向けて準備していた「釣手土器」周辺から出土したもので、土器の文化的価値を調査するための資料となる可能性がありました。
誤って廃棄されたのは西桂町の「宮の前遺跡」で出土した縄文時代の土器の破片です。
町教育委員会によりますと、宮の前遺跡からは明かりを灯す道具に使われていたとされる「釣手土器」が発掘され、周辺から出土した大量の土器の破片は町の倉庫で保管していました。
町は「釣手土器」を県文化財に指定しようと県と協議していましたが今年7月、県の担当者が調査のため倉庫を訪れたところ、保管されていたはずの土器の破片が廃棄されていたことが発覚しました。
土器の破片は倉庫内の2トントラックの荷台で保管していましたが今年4月、新庁舎建設に伴う引っ越し作業の際、町職員約10人で廃棄したということです。その際、職員から必要か確認を求められた町教委も発掘に伴う報告書が作成済みだったことなどから、廃棄を了承していました。
捨てられた土器の破片は少なくとも1000点以上に上り県が廃棄場所から回収を試みましたが、回収できたのは201点でした。
一方、「釣手土器」は県が保管していたため、無事だったということです。
町は今後、職員の処分を検討するとしています。