■衛星画像（30日午後3時現在）

　（解説：蓬莱大介 気象予報士）

　衛星画像です。ポイントは、台風周辺は、だいぶ目は崩れてきていますが、まだ雲はしっかりとあって、雨は降らせています。台風から離れたところでも、秋雨前線で、東北地方で雨が降っています。

　関東地方にも、雲がつながってます。湿った空気が流れ込んできて、台風から離れたところでも、大雨となっているのが、今回の台風のポイントです。

　（中谷しのぶキャスター）
　Q.南からの雲は、台風とは違う雲なんですか？

　（解説：蓬莱大介 気象予報士）
　台風とは違うんですよ。でも、熱帯低気圧という台風の卵からの湿った空気なので、台風とは別でも、大雨を降らせているんです。

■雨雲の状況（30日午後3時45分現在）

　続いて雨雲の状況です。ちょっと広い範囲で見てみますが、台風の中心がここ山口県なんです。ここ愛媛県なんですね。その間の瀬戸内海のところに、台風の目があります。この目を中心に、風が渦を巻いています。その風の渦が、17メートル以上吹いていて、まだ台風です。

　風速が17メートルを切ってくると、これが熱帯低気圧に変わるんです。いずれにせよ非常に湿った空気の塊なので、雨雲はいっぱいあります。南風が入っている近畿だけではなくて、関東地方でも雨が強まっているので、東方面でも台風から離れている反対方向でも、交通機関に影響が出ています。

■台風とは別の熱帯低気圧が関東に大雨を降らせた

　天気図を見ると、台風とは別の熱帯低気圧の影響で、関東地方も大雨になっています。台風に近いところ、西日本では、まだこの時間も激しい雨のところがあります。近畿も、この後、局地的に激しい雨には注意が必要です。

　（中谷しのぶキャスター）
Q.この熱帯低気圧が台風になるのはいつですか？

　（解説：蓬莱大介 気象予報士）
　この熱帯低気圧は、非常に湿った空気をどんどん送り込んでしまっているので、この後消えていきます。今、このエネルギーは、全部、関東の方に行っているので、関東は29日（木）から大雨なんです。

■31日に近畿へ接近

　続いて進路図です。この後、愛媛県に再び上陸し、だいたい時速15キロ、ゆっくりですね。自転車並みぐらいです。走るにはちょっと速いぐらい。それで真夜中に高知県を通って、31日（土）午前3時に、だいたい高知県、徳島県のあたりを進みます。

　明日31日（土）の午後3時になって、近畿の南部を進むという予想です。かなりゆっくり近づいてくるので、台風の右側にあたると、南風で湿った空気がずっと入りやすいという状況です。

　（中谷しのぶキャスター）
Q.高知を横に横断しているような形になりますけれど、再び、四国を過ぎて、海の上をまた通ると、再び勢力が少し強まったりする能性はあるんですか？

　（解説：蓬莱大介 気象予報士）
　この海の上通る間は、水蒸気が補給されて、午後3時の段階でも、まだ台風のままということです。

　1日（日）の予報円ですが、普通、予報円は東へ進んでいくと、この円は、もっと東にあるはずじゃないですか。それが、ちょっと31日（土）の円よりも、バックしてます。これは、31日（土）午後3時以降は、近畿から東海あたりで、迷走する可能性があるということです。

　熱帯低気圧には、変わるんですが、非常に湿った空気の塊なので、この辺でうろうろされると、大雨をもたらす恐れがあるので、1日（日）までは、やはり油断ができない。上空に流す風がないので、迷走台風となっています。

■台風周辺と東側で大雨の恐れ

　続いて31日（土）、台風周辺の非常に湿った空気のエリア、南からの湿った空気も入ってきます。近畿地方では、1日（日）も、まだ熱帯低気圧が近くにあるので、大雨の恐れがあります。

　30日（金）夕方の、雨の状況です。南風で発達した雨雲がまだ所々あります。今、雨が降ってないところでも、天気は急変しやすいので、30日（金）の夜も、急な強い雨には、ご注意ください。

■兵庫、和歌山でやや強い風

　風に関しては、そんなに強くは吹かないと思います。30日（金）午後9時の予想です。この赤じゃない、黄色やオレンジのところが、だいたい強風注意報ぐらい。
　
　30日（金）夜、風が強いのは、和歌山県から兵庫県のあたり、そして、伊勢湾から滋賀県のあたり。このあたりで、風がやや強まるというような状況です。

　風に関しては強風注意報レベルで、皆さんも対策を取っていただければと思います。怖がりすぎることはないですが、油断はできないという感じです。

　31日（土）の天気です。午前中から各地大雨の恐れがあって、もしかすると午後も大雨が長引く恐れがあります。最新情報の確認をお願いします。