【ピンチ】「“エッグショック”を超えてくる恐れ」鳥インフルエンザの影響で卵が高級品に⁉価格高騰の波はコメや果物にも…オムライスやおにぎりの専門店・小売業からは悲鳴「もはや“天変地異”ぐらいのレベルです」
食材の価格高騰が止まりません。卵・コメ・野菜・果物など、近年例を見ない物価高に苦しめられている私たちの食卓。価格の高騰はいつまで続く?スーパー『アキダイ』秋葉弘道社長に聞く、今“お買い得”な食品とは?
■“エッグショック”再来の懸念「鳥インフルエンザの拡大次第では点数制限も」
一日300個の卵を使うというオムライス店で今、店長が頭を悩ませているのが、卵の価格の高騰。その原因は、今各地で猛威をふるう高病原性『鳥インフルエンザ』です。
(オムライス専門店・店長)
「卵に関しては、この冬、急に上がり始めました。鳥インフルエンザと飼料代とガス代、このトリプルパンチで、すごく上がっています。いつまで価格上昇が続くのか、不安は大きいです」
東京における卵(Mサイズ)の卸売り価格は、2024年1月には1キロ当たり180円でしたが、同年12月には290円まで上昇しました。このままでは、2023年と“同じ状況”になる恐れが…。
2022年秋から上昇した卵の卸売り価格は、鳥インフルエンザの感染拡大などで、2023年春には史上最高値の350円を記録。“エッグショック”と呼ばれる事態となりました。
当時、約1771万羽が殺処分されましたが、今シーズンは全国で40例(2025年1月20日午前現在)が確認され、すでに約705万羽が殺処分の対象に。2025年は、その2年前の被害に迫る勢いなのです。
神奈川県内のスーパーでも、卵の価格に振り回されているといいます。2025年1月6日の初営業日には209円だった10個入りのパックが、同年1月20日には239円まで値上がりしました。
(食品バイヤー)
「1月頭から今まで、ちょっとずつ右肩上がりで、値上がりしている状況です。鳥インフルエンザの拡大次第では、数量が揃わなければ、点数制限等を設けながら販売しなければなりません」
■新米の価格が過去最高に…おにぎり専門店も嘆き「食材全般が上がったので値上げせざるを得ない」
そして、価格の高騰は、日本人の食卓に欠かせない『コメ』にも―。
Q.一日に、どれくらいのコメを使いますか?
(おにぎり戸越屋・木本英二管理部長)
「一日30升、300合ぐらい。おにぎりの数で言うと、ざっと800~1000個です」
炊き立てのふっくらごはんと、40種類ほどの厳選された具材が評判の東京都内のおにぎり専門店では、毎日多くのコメを使うため、価格高騰の影響を受けているといいます。
コメの価格を巡っては、2025年1月17日に農水省が発表した新米の12月の取引価格が、比較可能な2006年以降で過去最高を更新しました。
2024年夏には、“令和の米騒動”が起きました。当時、店を取材した際には、2023年から2度にわたり商品を値上げしたとしていましたが、2024年末には3度目の値上げに至ったといいます。
(おにぎり戸越屋・木本管理部長)
「業者さんも頑張ってくれて、何とかコメの価格を上げないようにしてくれていましたが、どうにもならないということで、商品を値上げしました。その他の仕入れ価格、特に肉関係・食材全般が上がったので、値上げせざるを得ない。ギリギリ頑張っていたんですけど…」
コメの価格高騰を受け、『セブンイレブン』は2025年1月20日、おにぎりと弁当など37商品の値上げを発表。『塩むすび』は108円から128円(税抜き)と、20円値上げされました。
■スーパー『アキダイ』秋葉社長に聞く!現場から見て今“お買い得”なのは?
食材の価格高騰は野菜や果物にも及び、冬の食卓に欠かせない白菜も、今や例年の2倍の値段に。近年例を見ない物価高に、現場からは―。
(スーパー『アキダイ』秋葉弘道社長)
「異常ですよ。もはや“天変地異”ぐらいのレベルです」
Q.“エッグショック”に近づいているということですが、『アキダイ』さんでは卵はおいくらですか?
(秋葉社長)
「2Lサイズで1パック220円です(2025年1月22日現在)。2024年と比べると60~70円高いです。また、最近までは197円だったのが、この2~3日で一気に上がってきて、値上がりのスイッチが入った感じです」
Q.これから、もっと高くなりそうですか?
(秋葉社長)
「2023年の“エッグショック”を超えてくる恐れがあります。2025年は、2023年より値段が高い状態からのスタートなので、だいぶ心配です」
Q.卵自体が入ってこなくなるんですか?
(秋葉社長)
「今のところ、まだそういう心配はないです。モノは入ってきています。でも、2023年もそうでしたけど、鳥インフルエンザが拡大することによって、入ってこないお店も出てくる状況です。ただ、これから先『日本全国でなくなる』ということではなく、『ない店も出てくる』ということです」
Q.「コメの価格は新米が出たら落ち着く」という話もありましたが、また上がっているんですか?
(秋葉社長)
「しっかり入荷しているので、本当は下がるべきなのですが、問屋さん以外にコメをかなり集めている人もいるのではないかと思います。今、正に“バブル”みたいなことが起こっています」
Q.買い付け競争が、ものすごく激しくなっているんですか?
(秋葉社長)
「正にその通りです。どこかで『来年度のお米が調子いいよ』みたいな話が出てくると放出されて、逆に安くなる場面が出てくるのではないかという期待感もあります」
Q.卵かけご飯が高級品になりそうですね?
(秋葉社長)
「本当に。庶民的な食べ物が高くなるのは、厳しいですよね」
Q.果物なども値上がりしているんですか?
(秋葉社長)
「そうなんです。この時期としては珍しいですが、みかんが大体2~3割高い状態がずっと続いています。平年だと580円、高くても680円なのに、今は880円です」
Q.あえて今“お買い得”なのは、何ですか?
(秋葉社長)
「値上がりしているとはいえ、これから先まだ上がってくると思うので、白菜は今がむしろお買い得かもしれないです」
(秋葉社長)
「あとは、トマトです。2024年は高かったですが、今はだいぶ下がって、2~3割下がっています。原油が高いので、本当は高くなければおかしいのに、安くなっています」
(秋葉社長)
「あとは、長ネギも2024年は高くて、298円ぐらいしていたものが、今は238円です。ここから、まだまだ長ネギは下がってくると思いますので、お買い得だと思います」
(『情報ライブ ミヤネ屋』2025年1月22日放送)