愛媛・今治市の山火事 発生から4日目も延焼続き被害拡大 大規模停電のおそれも 鎮圧の見通し立たず
愛媛県今治市の山火事は、発生から4日目となった現在も延焼が続いています。
「山火事の影響でしょうか、建物から炎が高く上がっています」
強い風に乗って燃え広がる炎に街が包まれ……。火の手が人々の生活を容赦なく呑み込み、消火活動も難航。
火が離れた場所に燃え移る“飛び火”も懸念される愛媛県今治市の山火事は、発生から26日で4日目になりました。
西山耕平 記者
「いま、もうもうと白い煙がたち込めている箇所に水が注がれました」
鎮圧の見通しは立たず、至るところで発生する山火事の被害は拡大を続けています。
山すその民家付近から立ち上る白い煙。複数の場所からも依然として炎や煙が確認できます。
西山耕平 記者
「いろんなところで焼けている…こういうのが落ちていますね」
山からの“飛び火”なのでしょうか。26日、火の手は新たな場所でも。
RNB・三宅那央 記者
「きのうまで燃えていなかった山から煙が上がり始めているようにみえます」
拡大を続ける山火事の延焼範囲。当初燃えたのは約61ヘクタールのエリアで、2日目の24日、西側に延焼。そして、25日になると北側の山に“飛び火”し、朝の時点で約214ヘクタールが焼け、夜になると306ヘクタールに延焼範囲が広がりました。
この山火事で、今治市と西条市あわせて3848世帯7494人に避難指示が出され、273人が避難。(26日午前10時現在)
今治市では住宅7棟、倉庫2棟で被害が確認され、四国電力は延焼が拡大すれば今治市全域で停電する可能性があるとしています。
これは、26日午前4時ごろに撮影された映像です。住宅地の目の前まで火の手がせまり、山林が音を立てながら激しく燃える様子が。
動画を撮影した男性は「家族を大阪に避難させ、ひとり、今治に留まり自宅を見守りました」と話していました。
動画を撮影した男性
「朝の4時半ぐらいまで、思いっきり火柱が上がって燃えていて、徐々に火が来るので“終わりやな”と思ったら、ちょっと風向きが収まって、そのタイミングで消防士が来てくれた」
いまだ衰える気配のない炎。
西山耕平 記者
「消防のヘリコプターがやってきました。いま散水されました。もうもうと白い煙がたち込めている箇所に水が注がれました」
消防が懸命の消火にあたっていますが、終わりの見えない活動に現場からは…。
今治消防団 副団長
「さすがに今治、朝倉(地区)は3日目なので、かなり疲れています。他の方面隊がかわりに入る」
25日は新たに宮崎市で、そして岡山市では26日で4日目となる山火事が続いています。いずれも鎮圧のめどが立たない状況に、住民の不安がいまも続いています。
◇◇◇◇◇◇◇
(中谷しのぶキャスター)
現場の状況を教えてください。
<愛媛県今治市から中継> (取材・報告=的井文謙 記者)
ご覧いただけますように、至る所に白い煙、そして黒い煙があがっています。左から右に一連に山が連なっているため、一つの場所で火が上がるともう一つの場所にすぐ燃え移ってしまって、あっちこっちで煙が上がっている、そんな状況です。取材をしていると、丸焦げで消火が落ち着いているエリアもあれば、煙がもくもくと上がっていて焦げ臭いエリアもありました。いま、街中に消防やヘリ、そして地面にはホースが巡っている、そんな状況です。
(中谷しのぶキャスター)
周辺住民の皆さんはどう話をされていますか?
(的井文謙 記者)
きのう民家への燃え移りがあった桜井地区が、まっすぐ行ったところにあるんですけれども、きょうそちらに行ってみると、比較的火は落ち着いていて25日の時点で、避難所には80人ぐらいの方がいらっしゃったということですが、26日の昼時点では4人とか5人になって、皆さん、家に帰ったということでした。そして、一番気になっているのは、通行止めが相次いでいるというところです。
こちらの現場に来るまで何回も通行止めに遭い、ぐるぐる回ってやっと、こちらの現場にたどり着いた、そういう感じでした。
(中谷しのぶキャスター)
鎮圧のめどは、まだ立っていないということなんですよね。
(的井文謙 記者)
鎮圧のめど、まだ消火活動が続いていて、落ち着いてきたということですが、火が広がれば全体が停電になる可能性もあるということで、なかなか安心できないと皆さん仰っていました。いまも住民が不安な日々が続いています。