「教育無償化」へ 与党と維新合意で予算案成立の見通し 一方兵庫維新の不祥事で「深刻な影響」の声も
来年度予算案の修正をめぐり25日夜、自民・公明・維新の3党が党首会談を行い、正式に合意する見通しです。中継でお伝えします。(取材・報告=阿部頼我記者)
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阿部頼我記者
「自公両党と日本維新の会との合意のメドが立ったことで、来年度予算案は年度内に成立する公算が大きくなりました。
当初は、先週にも3党の党首会談を行う方向で調整が進められてきましたが、維新は『社会保険料の負担軽減』について、内容が不十分だとして、さらなる譲歩を求めてきました。
最終的には、国民医療費について『年間で最低4兆円の削減を念頭に置く』とすることで合意する方針となり、まもなく再開する両院議員総会で最終決定する見通しです。
しかし今回の予算案合意について、ある維新の国会議員は『執行部が勝手に話を進めるが、実現に向けて補償されていない。執行部から熱量が一切感じられないんだ』と不満を口にする声が聞こえていて、党内が一枚岩ではない様子が見てとれました」
中谷しのぶキャスター
「一方で、兵庫維新の県議による音声データや資料流出問題は、党内ではどう受け止められているのでしょうか?」
阿部記者
「ここに来て、党全体に深刻な影響を与えかねないという声が出始めています。
斎藤元彦知事の疑惑を調べる百条委員会で、非公開とされた証人尋問の音声データや文書を維新の県議が『NHK党』の立花孝志氏に提供した問題については、当初、党内では、『大きな違反行為があった訳ではないので、重い処分にはならないだろう』という声が広がっていました。
しかし、週末には岩谷良平幹事長が『極めて不適切な行動だった』と 謝罪する事態にまで追い込まれ、その後、除名や離党勧告という重い処分が検討されています。
こうした不祥事への対応が足を引っ張る中、維新は、この夏に行われる参院選に向けて「国会での成果」を重視して、予算案の賛成に転じたわけですが、今後、兵庫維新の問題の対応を誤れば、予算案賛成で得たアドバンテージが帳消しとなる恐れがあります。
一方、石破政権にとっても、少数与党で予算案の成立に向けては、野党の協力が必要不可欠な中で、国民民主が提案する形での『103万円の壁』を撤廃すると、7兆円以上の税収が減るとされている一方で、維新が掲げる『教育無償化』については、関連予算は約5000億円規模に抑えることができ、与党と維新との思惑が一致した形となりました。
この後、自民、公明、維新の3党の党首会談によって正式に合意する見通しです」