健康被害を引き起こしかねない「ニセ化粧品」がネットに横行 独自鑑定結果は...「美容成分なし」
いま健康被害を引き起こしかねないニセモノの化粧品がネット上に多く出回っています。今回、読売テレビは独自に成分を鑑定しました。
的井文謙 記者
「午前8時35分です。杉本吉康容疑者が車に乗り込みます」
24日送検された通信販売会社役員の杉本吉康容疑者(29)ら2人。昨年、資生堂の有名ブランド「クレ・ド・ポー ボーテ」の偽の化粧品をネットショップで女性2人に販売するなどした疑いがもたれています。
ニセの化粧品は正規品よりも安く売られていて、差出人の住所が中国となっていることなどから、警察は中国に共犯者がいるとみています。
こうした模造品は海外から多く入ってきていて、大阪税関によりますと、輸入差し止め件数は、ここ5年で2倍以上に増えています。化粧品やサプリなど健康被害が懸念される模造品も多いということです。
読売テレビは今回、「ロート製薬」の人気美容液「オバジ」の模造品が出回っているとの情報を入手。フリーマーケットサイトを調べてみると、定価1万1000円のはずが、半額ほどで売られている怪しい商品を見つけました。
購入して実際に正規品と比べてみると、黒い線の引きかたに違いが。さらに…。
的井文謙 記者
「正規品とインターネットで購入したものを比較してみると、インターネットで購入した方は白く濁っていますね」
中身もニセモノなのか。専門機関で鑑定を行いました。
日本分析化学専門学校・荒井三起 専任講師
「これはですね、ビタミンC(美容成分)を入れると無色になりますという、インドフェノールという試薬です」
「本物だと色が消えます」
「正規品の方は色が変わりました」
一方、フリマサイトで購入したものは…
日本分析化学専門学校・荒井三起 専任講師
「同じように振っていきますと、色が変わりません」
フリマサイトで購入したものには、本来含まれている美容成分が入っておらず、模造品だと判明しました。取材班は出品者にメッセージを送ったものの、返事はありませんでした。
「美しくありたい」「けど少しでも安く手に入れたい」という消費者の心理につけこんだ悪質な模造品。消費者庁は、インターネットで購入した模造品は品質などの確認がなされていない可能性があると指摘し、信頼できる事業者から購入するよう呼びかけています。