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パワハラ疑惑調査の百条委 斎藤知事「私の認識は合理的」「誹謗中傷性の高い文書、処分は適切」

2024年8月30日 19:13
パワハラ疑惑調査の百条委 斎藤知事「私の認識は合理的」「誹謗中傷性の高い文書、処分は適切」

 兵庫県の斎藤元彦知事のパワハラ疑惑などを調査する兵庫県議会の百条委員会は30日開かれ、斎藤知事への証人尋問が行われました。まずは、兵庫県庁から、現在の状況をお伝えします。
(取材報告:牧野天稀 記者)

 こちらの部屋では、先ほど午後3時から、斎藤知事本人への証人尋問が行われています。
 知事本人への尋問ということもあって、会場には30席傍聴席が用意されたのですが、多くの人が詰めかけたため、抽選が行われました。
 報道陣も100人以上はいるでしょうか、会場は大変な熱気に包まれています。

 会場となっている大会議室に午後3時ごろ入ってきた斎藤知事は、黒いスーツに黒いネクタイをつけ、普段と変わらない落ち着いた様子で席に着きました。

 冒頭、虚偽の証言をしないなどの宣誓を述べ、サインをしてから、現時点で1時間20分ほど尋問が続けられています。地方自治法の100条では、虚偽の陳述をしたときは、「3か月以上5年以下の禁錮」となります。

 斎藤知事はこれまで、告発文は「誹謗中傷性の高い文書で非常に悲しかった。処分は適切だった」と述べ、玄関前で車を降ろされ叱責したという件については、大きい声で指摘したと認めたうえで「当時の認識は合理的な指摘だった」などと証言しました。

 ことしに入って職員2人が命を絶った兵庫県庁で何が起きていたのか。斎藤知事の証言をまとめました。

◇◇◇◇

 午後3時から始まった斎藤知事への証人尋問。

 斎藤元彦 知事
「良心に従って真実を述べ、何事も隠さず何事も付け加えないことを誓います」

 質疑は知事による職員へのパワハラ疑惑が中心になりました。

 先週公開された県職員へのアンケートには、回答者の約4割が知事のパワハラを「見た」「聞いた」などと回答しました。
 その中には…

「到着が遅れそうになると公用車の座席を後ろから蹴る」
「タブレットをたたきつけ激怒する」
「視察先でエレベーターが目の前で閉まり乗り損ねた際、『お前はボタンも押せないのか』と大声で職員をどなりつけた」
「『私は知事やど』と怒鳴る」

 これまで10人の職員に対し行われてきた証人尋問。
 そこでは今年4月に「公益通報制度」を利用して疑惑を告発した元幹部職員に、県が翌月懲戒処分を出したことについて、知事が批判を逃れるために処分を急ぐよう指示したという証言も。

 さらに、昨年11月、博物館での会合の際、会場の前が車両進入禁止のエリアだったことから、知事の乗った車が入り口の約20メートル手前で停車し、歩かされると…

 牧野天稀 記者
「知事は車止めが動かせるのを確認したうえで、職員を強く叱責したということです」

 30日の尋問では、現地で知事を出迎えた東播磨県民局の局長が、知事側には事前に「車止めの中には入れない」と伝えていたとしたうえで…

 東播磨県民局 野北浩三 局長
「知事が車止めを見て『なぜそれをどけておかないのか』と言ったので、はじに寄せましたが『車がそれで通れると思うのか』と強い表現で叱責された」

 百条委員
「通れないです、と言える状況だったのか」
 東播磨県民局 野北浩三 局長
「頭が真っ白になって、知事の指示なので移動せざるを得なかった」

 百条委員
「知事はこの叱責を『社会通念上の範囲』と言ってきたが、どう思いますか?」
 東播磨県民局 野北浩三局長
「社会通念上必要な範囲とは思わない。理不尽な叱責を受けたと感じている」

 さらに、このことが告発された後には、副知事から「しゃべりすぎるなよ」と口止めを受けていたことも明らかにしました。

 初の自身への証人尋問を前に、30日朝、知事は…

 斎藤元彦 知事
「朝から身が引き締まる思いがします。調査とか聞かれたことに、自分なりの思い、そして言葉でできるだけ話したい」

 説明責任を果たすと繰り返してきた斎藤知事。注目された百条委員会で語ったのは…
 
【パワハラ疑惑「車両進入禁止の場所で20メートル歩かされ叱責」】

 斎藤元彦 知事
「『車止めをなぜよけておかなかったのか、よけるのを失念していたのではないか』と申し上げたと記憶しています」

(Q、証人が「かなりきつい言い方だった」と言っているが?)
 斎藤元彦 知事
「それなりに強く指摘をさせていただいたと思います。“車止めを取り忘れていたのではないか”と私は強く思った」

(Q、そもそも入口までルール上、車が進入できないので車止めが置かれていた。どうすれば職員は叱責されずに済んだのか?)
 斎藤元彦 知事
「実際に車の進入が禁止されているかどうかは私は認識していなかったので。当然、道が続いていて職員が奥で2人待っているんですから、普通に考えるとそこまで車が行くものだと思うのが自然だと思っている。私は歩かされたことを怒ったのではなくて、円滑な車の進入路を確保していなかったことについて注意した。当時の認識としては、私の認識は合理的だった」

【公益通報した告発者を処分した問題】

(Q、前 西播磨県民局長の停職3か月の処分は不適切だったという認識は?)
 斎藤元彦 知事
「今も思ってはいません。適切だったと思っています。事実でないことが多々含まれる、誹謗中傷性の高い文書だと私、県としては認識したので、それで調査をして処分を出した。その処分は適切だった」
「どうして同じ仲間で一緒に仕事をしていた人が、こういう文書を書いてまいたのか。くやしい辛い思いがあり、悲しい辛い思いから、ああいった表現を3月27日にしたことは補足したい」

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