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【速報】「核燃料の処分・サイクル確立を」関西電力社長に大株主の大阪市長が会談で要望

2024年7月31日 16:55
【速報】「核燃料の処分・サイクル確立を」関西電力社長に大株主の大阪市長が会談で要望
関西電力の森望社長と大阪市の横山英幸市長の会談(7月31日)

 関西電力の森望社長は、31日大阪市役所を訪れ、同社の大株主である大阪市の横山英幸市長と意見交換を行いました。

 関西電力をめぐっては、原子力発電所から出た使用済みの核燃料を一時的に保管する「中間貯蔵施設」の確保が、長年にわたって大きな課題となっています。

 関西電力は中国電力と共同で、山口県上関町で中間貯蔵施設の建設に向けた調査を進めていますが、横山市長は、「我が国のエネルギー需給率は12%で、国際的に不安定になると市民生活への影響につながりかねない」と語り、最終的な処分や中間貯蔵施設、核燃料サイクルの早期確立を要望しました。

■中国電力と共同で山口・上関町で中間貯蔵施設の建設に向けた調査

 関西電力は、2023年9月、福井県にある高浜原発2号機を約12年ぶりに再稼働させ、2011年3月に発生した東京電力・福島第一原発事故後初めて、所有する7基の原発全てが稼働できる状態になりました。(廃炉のものを除く)

 しかし、これまで長年にわたり、原発で使用された後の「使用済み核燃料」の搬出先が定まらず、原発の施設内にある「燃料プール」で保管を続けてきましたが、すでに燃料プールは8割ほどが埋まり、2028年ごろには満杯となる見通しです。

 こうした状況を受け、関西電力は2023年10月、青森県六ケ所村にある再処理工場やフランスに搬出するなどとするロードマップを提示し、「今後は原則として発電所内での貯蔵容量は増やさない」と表明。

 また、中国電力と共同で、山口県上関町で中間貯蔵施設の建設に向けた調査を進めていますが、地元・山口県の市民団体からは、建設中止を求める署名が提出されるなど、「使用済み核燃料」が想定通りに搬出できるのか不透明な状況が続いています。

 横山市長は「最終処分場や中間貯蔵施設は簡単ではないと思うが、サイクルの確立は(原子力発電を扱う関西電力の)ひとつの大きな責任だ」と語りました。

■青森・むつ市で「使用済み核燃料」受け入れ方針も…関西電力は対象外「当社の取り組みを」

 一方、29日には青森県の宮下宗一郎知事が、青森県むつ市で建設されている中間貯蔵施設で「使用済み核燃料」を受け入れる方針を示しました。

 むつ市の中間貯蔵施設をめぐっては、過去に電力各社で共同利用する案も検討されていましたが、むつ市側が「地元軽視の極み。受け入れるということにはならないと思う」と反論していました。

 今回、当時のむつ市長である宮下知事が「使用済み核燃料」の受け入れ方針を示した一方、当該施設は「東京電力」と「日本原子力発電」が所有する原発の使用済み燃料の貯蔵や管理を目的としているため、関西電力は対象に含まれていません。

 関西電力の森望社長は「他社の設備なので進めておられるという認識。当社としては、当社の取り組みを進めていく」とコメントし、現時点では対象事業者ではないことを改めて強調しました。

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