【ナゼ?】「子どもがいるから困る」「必要なコストなのでお金かけるべき」東京23区の“ゴミ袋有料化”検討に様々な声…現役清掃員芸人が提言「ゴミを減らすのは、お金持ちへの一歩」
環境省が発表した最新のデータによると、一人一日当たりのゴミ排出量は880g。全国の年間のゴミ総排出量は4034万tで、東京ドーム約108杯分にもなるといいます。近年では、エコ意識の高まりと共にゴミ排出量は減少していますが、さらにゴミの量を減らすため、東京23区でもゴミ袋有料化の検討が…。私たちに今できることとは?
■東京都のゴミを巡る問題 「困る」「必要なコスト」有料化検討に様々な声
東京都内では、多摩地域はゴミ袋がほぼ有料ですが、23区は全て無料です。しかし、有料化しようと検討・議論されていて、東京都によると「ゴミ削減やリサイクルへの意識向上が目的」だということです。
また、ゴミ最終処分場の問題も。約50年以上は埋め立て可能と推計されていますが、もし満杯になった場合、東京都の担当者は「現在、他の候補地がない。また、東京都の最終処分場は船の航路で、拡張が困難」と話しています。
東京23区でゴミを回収する現役の清掃員でもあるお笑い芸人、マシンガンズ・滝沢秀一さんによると、「国内には、あと7~8年で満杯になる地域もある。ただ、新設しようとしても住民の反対があり、難しい現状」ということです。
ゴミ袋有料化の検討に、街の人は―。
Q.有料になったら、どうですか?
(東京23区内 在住)
「それは嫌ですね、ちょっと考えちゃう」
(埼玉県 在住)
「子どもがいて紙のゴミとか多いので、有料になると結構困ります。お金がかかるので」
一方、こんな声も―。
(東京23区内 在住)
「必要なコストなので、お金をかけるべきだと思います。コストがかかることによって、ゴミを出す量を減らす人も出てくると思うので。あとは、ゴミが出ないようにメーカーもパッケージを変えるとか、大きな流れになると思うから、すごく良いと思います」
■2004年から有料化の東京・八王子市、『ゴミが少ない自治体ランキング』1位に
東洋大学・山谷修作名誉教授によると、2024年6月現在で、ゴミ袋を有料化している自治体は全国で約66%。福岡市・名古屋市・札幌市などでは有料、大阪市・横浜市などでは無料となっています。
そんな中、環境省による2022年度『一人一日当たりのゴミ排出量(人口50万人以上)』で、ゴミが少ない自治体ランキング1位だったのは、東京・八王子市でした。
東京・八王子市では、2004年から『ゴミ袋の有料化(40L・一枚75円)』と『一軒ずつ回る戸別回収』を開始。その結果、2003年に約20.7万tあったゴミが、2023年には14.3万tまで減っています。
また、その他の地域の取り組みとして、千葉市のミニストップ(一部店舗)では、指定の可燃ゴミ袋を一枚8円(10L)で販売。それがレジ袋代わりになっているということです。
ただ、45Lのゴミ袋が一枚200円と高額の自治体も。北海道えりも町は、高齢者が多く戸別回収であること、また海岸線約60kmという距離があって運送コストがかかることから、東洋大学・山谷名誉教授によると「日本一ゴミ袋が高い街」だということです。
■『片手で1億・両手で3億』ゴミ削減の工夫とは?“ゴミの種類”に見る地域性
ゴミを減らすために、何ができるのでしょうか。マシンガンズ・滝沢さんは、「牛乳パック6枚は、トイレットペーパー1ロールに生まれ変わる」「不燃ゴミは、清掃事務所などで回収してもらうと資源になる」とリサイクルを提言しています。
また、多摩市が唱えているのが、『片手で1億・両手で3億』です。生ごみの水分を絞って出すことによって、ゴミ処理にかかる経費を削減できるといいます。
(『読売テレビ』西山耕平アナウンサー)
「ゴミの処分にとって水分が非常に足かせになっていて、片手でギュッと水分を絞ったら1億円・両手なら3億円が削減されるということです」
そして、マシンガンズ・滝沢さんがゴミ収集する中で、見えてきたことがあるといいます。それは、“出ているゴミの違い”です。
一般的な住宅地では、たばこや大量の洋服など“長持ちしない消え物”が多いといい、「安いからと買ってしまい、大きな浪費につながっているのでは」と分析。
一方、高級住宅地では、運動用品など“長く使えて自己投資につながるもの”が多く、そもそもゴミの量も少ないといいます。「無駄なものは購入せずゴミを減らすのは、お金持ちへの一歩」だと話していました。
(「情報ライブ ミヤネ屋」2024年9月20日放送)