【続出】スキー場の“手が届く道路標識”に相次ぐ迷惑行為 中国のSNSでは“ぶら下がり”動画が拡散 自治体も困惑し対応へ「これらは罰せられる行為」「今後も迷惑行為が続く場合には、道路標識の設置方法を変えることも検討」

長野県の『野沢温泉スキー場』で、道路標識が手で触れる高さにまで雪が降り積もり、この珍しい光景を写真に収めようと、今人気スポットになっているといいます。しかし、迷惑行為が後を絶たず、県も対策を検討しています。
■『野沢温泉スキー場』に“手が届く”道路標識が出現?珍しい撮影スポットに迷惑行為が続出…
長野県北部に位置する『野沢温泉スキー場』。北信濃の山々に囲まれ、ブナの森に良質なパウダースノーが降り積もるこの地は、100年もの長きにわたり、ウインタースポーツ文化を牽引してきた歴史を持っています。
そんな『野沢温泉スキー場』では、平年以上に降り積もる雪の影響で、ある不思議な光景が―。
そこにあったのは、道路標識。看板には、野沢温泉へと案内する文字が書かれています。
実はこの場所、雪がない時期は、車が走る県道。しかし、雪が3mほど降り積もり、地上高くにあった道路標識が、大人の目線の高さに…。
珍しい光景を写真に収めようと、多くの人だかりができていました。平年の約1.5倍の積雪となった『野沢温泉スキー場』。一躍、この冬ならではの人気撮影スポットとなっていました。しかし、普段は触れない道路標識に手が届くようになったことで、ある問題が―。
迷惑行為が相次ぎ、写真撮影の際に、標識にぶら下がる観光客が続出…。
さらに、標識や柱には、べったりと大量のステッカーが貼られ、表面の至る所には、傷も確認できます。
中国のSNSでも、その珍しさゆえに、話題のスポットとして注目される一方で、“ぶら下がり”などの迷惑行為の動画が拡散されています。
こうした事態を受け、『野沢温泉スキー場』は標識についての注意喚起を発表しました。
(野沢温泉スキー場公式HPより)
「一部の方々が道路標識に傷を付けたり、ステッカーを貼り、公共の道路標識に損傷を与えている事は、大変残念です。これらは罰せられる行為となります。思い出の写真を持ち帰るだけに留め、マナーを守って頂きますよう、お願い申し上げます」
現在は、県の担当者がステッカーを剥がしたものの、跡が残り、まだら模様になっています。さらに、周辺には、標識に触らないようにするためのロープが設置され、注意喚起の看板も立てられました。
この場所を楽しみに訪れたという人は―。
(スキー客)
「マナー的なところをちゃんとしてほしかったですね」
(スキー客)
「触れないのが残念ですけど、保全のためには仕方ないのかな」
■長野県も対策へ「道路標識の設置方法を変えることも検討しなければならない」 『器物損壊罪』に当たる可能性も
長野県の北信建設事務所の飯山事務所によると、「非常に迷惑をしている」として、「標識には特殊な反射塗料を使用しており、その標識としての機能が果たせない場合や今後も迷惑行為が続く場合には、道路標識の設置方法を変えることも検討しなければならない。当然、費用もかかることなので、こうした行為は絶対にやめてもらいたい」と話しています。
(元大阪地検検事・亀井正貴弁護士)
「道路標識を傷付けたり、シールを貼る等の行為は、『器物損壊罪』に当たる可能性がある。現行犯でなくても、映像などで犯罪実行者が特定できる場合、道路標識の持ち主は、刑事告訴することができる」
刑事告訴期限は、犯人を認知してから6か月だといいます。『器物破損罪(刑法261条)』は、“損壊または傷害した者は3年以下の懲役または30万円以下の罰金、もしくは科料”が科されます。
(「情報ライブミヤネ屋」2025年3月6日放送)