去年12月、神戸市中央区で水路に転落した高齢女性を助けたとして、31日、救出した男性2人に「のじぎく賞」が贈られました。「のじぎく賞」は身近な善行を表彰する兵庫県の賞です。

　「のじぎく賞」を受け取ったのは尼崎市の速水栄司さん（57）と、神戸市垂水区の楠本聡さん（47）です。

　速水さんは去年12月の通勤中、うめき声を聞き、付近の水路を確認したところ、80代の女性がおぼれかけているのを発見。通りかかった楠本さんとともに、女性の顔が水面から出るよう約15分間、手を引き上げ続けたということです。現場にはスリッパが残っていたことから、2人は女性が自殺をはかったと考え「死んだらアカン。がんばれ」などと声をかけ続けました。

　その後、消防が女性を救出。命に別条はありませんでした。女性は「迷惑をかけました。ありがとうございました」と2人に感謝の言葉を述べたということです。

　取材に対し、速水さんは「おばあさんには最後まで生きてほしい」、楠本さんは「人の命を救うことができて良かった」と話しました。