北京五輪 フィギュア宇野昌磨 "神写真"がとらえた"攻める"決意
北京五輪で注目のフィギュアスケート。カメラマンの視点で見所を紹介するシリーズです。第9弾の今回は平昌五輪の銀メダリスト、宇野昌磨選手、24歳。スポーツ報知の矢口亨カメラマンに聞きました。
■”攻める”思い
こちらは、2021年12月、全日本選手権のフリーでの1枚。演技終盤でみせる最後のステップの冒頭の跳躍です。
宇野選手は今回、普段とは違う様子だったと矢口さんはいいます。
「11月のNHK杯では、4回転フリップが2回転に抜ける失敗があって、その後のステップでは少し笑いながら演じていました。それは宇野選手の良い部分だと思います。失敗した時も笑顔というのは、彼の強みでもあり魅力でもあると思います」
12月の全日本選手権でも、4回転トウループの失敗がありました。しかし。
「状況的にはNHK杯と同じだったと思いますが、全日本では違う一面が見られました。最後まで闘志を失わず、最後まで攻めきる、という気持ちが伝わってきました。その象徴的なシーンがこの写真だと思います」
矢口さんは宇野選手が自分を100%表現するために集中する姿に心を動かされたといいます。
今季、フリーでは4回転を4種類、5本組み込む高難度の構成に挑んでいる宇野選手。まだ試合での成功はありませんが、全日本では羽生結弦選手につぐ2位に入りました。
■北京五輪見所
また、矢口さんは宇野選手は、曲や振り付けなどの"魅せるポイント"が分かりやすいと感じるといいます。
「宇野選手の演技は本当にスタイリッシュだと思います。体のラインをきれいに見せるのが上手ですね。選曲も振り付けも、1つ1つの表情や動きを撮りたいと思わせる選手です」
そして、演技と普段の姿のギャップも魅力。試合以外では、笑顔の多い24歳らしい青年のイメージですが、氷上では別人、「男前」になるといいます。
2度目のオリンピックに臨む宇野選手、北京五輪のフリーは「ボレロ」です。
「最後のステップは跳躍から始まって、ものすごく盛り上がります。五輪でも最後まで闘志を失わず、見ている人の心を動かす演技をしてくれると期待しています」
*報知新聞社・矢口亨カメラマン
2019年からフィギュアスケートを撮影。
その他、野球や五輪競技全般を担当。
写真集「羽生結弦 2019-2020」