五輪初出場の17歳 フィギュア河辺愛菜 ”神写真”の笑顔
北京五輪で注目のフィギュアスケート。カメラマンの視点で見所を紹介するシリーズです。第6弾の今回はオリンピック初出場の17歳、河辺愛菜選手。スケートファンから”神カメラマン”とも呼ばれるスポーツ報知の矢口亨カメラマンに聞きました。
■武器は大技・トリプルアクセル
こちらは2021年11月に行われた主要な国際大会・グランプリシリーズNHK杯の写真。河辺選手が、ショートプログラムで大技・トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)に成功した直後です。
思わずこぼれた河辺選手の笑みをとらえた矢口さん。
「すごく嬉しそうでしたね。大事なジャンプに集中する選手はこういう表情をするんだなと、撮影していて印象的でした」
名古屋出身の河辺選手は子供の頃から浅田真央選手に憧れて、トリプルアクセルを習得。今シーズンは、失敗することもあったものの、試合でトリプルアクセルに挑戦してきました。NHK杯では、2位に。河辺選手はそのとき、世界で戦いたいと思ったといいます。
そして、2021年12月の北京五輪最終選考会、全日本選手権では、ショート・フリーともにトリプルアクセルに成功。3位に入り、五輪代表に選ばれました。
「その時々に集中したことが、全部つながって北京五輪までかけあがったと思います」
トリプルアクセルにずっとこだわってきたという河辺選手。高さと幅のあるアクセルジャンプに定評のある羽生結弦選手のトリプルアクセルを参考にしているといいます。オリンピックでもトリプルアクセルを決めて、ミスのない演技をするのが目標だということです。
一方で矢口さんは、河辺さんの良さはジャンプだけではないといいます。
「トリプルアクセルをものにしているのもすごいんですけど、それ以前に演技全体に対する入り込みがすごいんです。表情や指先の動きを本当に大事に演技しているというのが伝わります。シャッターチャンスが多い選手ですね」
■北京五輪の見所
世界選手権にも出場したことのない河辺選手にとって、北京五輪は初めて経験する世界の大舞台。イメージは全然わいていないものの、トリプルアクセルを成功させて、ミスのない、自分らしい演技が出来るように頑張りたいとしています。
「演技冒頭のトリプルアクセルのチャレンジも見所ですが、最初から最後までプログラムを大事にして演じきっているので、河辺選手が本当に演技をやりきった後にどういう表情でリンクに立っているかが楽しみですね」
*報知新聞社・矢口亨カメラマン
2019年からフィギュアスケートを撮影。
その他、野球や五輪競技全般を担当。
写真集「羽生結弦 2019-2020」