2度目の五輪へ フィギュア坂本花織 ”神写真”がとらえた変化
北京五輪で注目のフィギュアスケート。カメラマンの視点で見所を紹介するシリーズ。第3弾の今回は、坂本花織選手(21)。2018年平昌五輪では当時17歳で6位入賞。さらなる高みを目指してきた坂本選手、4年間の変化とは。スポーツニッポンの小海途良幹カメラマンに聞きました。
■平昌から北京へ4年間の”変化”
こちらは、2018年、平昌五輪のフリー「アメリ」の写真です。
坂本選手は当時シニアデビューしたばかりの17歳。初めてのオリンピックで6位入賞を果たしました。
「坂本選手は4年前は、まだあどけなくて、初々しく元気いっぱいでした。平昌五輪では、そんな坂本選手がそのまま滑った感じでした」
あれから4年。
こちらは、2021年12月の全日本選手権での坂本選手のフリー。
21歳になった坂本選手。
小海途さんは、ある”変化”をとらえたかったといいます。
「4年がたって、大人の坂本選手になりました。大人っぽく見えるシーンを撮りたいと思っていました。顔の角度がきれいですね」
4年前と比べて、所作もより丁寧に美しくなったといいます。
■4年間の”成長”
坂本選手はこの4年間、新しいプログラムに挑戦する度に「難しい」と話してきました。振付師は、フランスのブノワ・リショーさん。髙橋大輔選手や紀平梨花選手などトップ選手の振り付けを手がけ、独特の世界観が評価されています。
「4年間、難解なプログラムに挑戦したことで、成長してきたんだと思います」
難しいプログラムに取り組んだ努力は、初々しい17歳を成熟した21歳へと成長させました。
■北京五輪のフリー見所
フリーの曲はドキュメンタリー映画「WOMAN」より「No More Fight Left In Me」など。その曲の歌詞や台詞には、自らを犠牲にして周囲に尽くしてきた女性が、苦難を乗り越えて自分らしくあろうと決断。力強く、自立していく決意が込められています。
坂本選手にとっては初めてのメッセージ性の強いプログラム。シーズン前は変更を検討するほど難しかったといいます。トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)など大技は組み込んでいませんが、代わりに完成度を磨き、高く評価されています。
小海途さんは、坂本選手のスピードも見所だといいます。
「スケーティングの伸びが気持ちいいです。想定よりも伸びるので撮影が難しいくらい圧倒的にスピードがあります。ジャンプは幅があって、安定していて、失敗するイメージがありません」
*スポーツニッポン・小海途良幹カメラマン
主に五輪競技やサッカーを担当。
2017年からフィギュアスケートを撮影。
写真集「YUZU'LL BE BACK」「Mao Thanks Memories」