高校サッカー 岡山学芸館 悔しさは未来へ
第100回全国高校サッカー選手権。岡山代表・岡山学芸館は2回戦で山口代表・高川学園と対戦。前半に先制したものの逆転を許し、1-2で敗れました。試合を振り返り未来を展望します。
■貫いた自分たちのサッカー
1回戦では山形代表・羽黒相手に逆転勝ちで2回戦に進出した岡山学芸館。2回戦は山口代表・高川学園との“中国地方ダービー”となりました。
試合は前半11分。山岡亮太選手(3年)が相手ディフェンスラインの裏に抜け出すと、高川学園のGK 徳若碧都選手(3年)がたまらず倒してしまい、岡山学芸館がPKを得ます。このチャンスを、初戦でも決勝ゴールを決めた山岡選手が冷静に決めて先制します。
しかし、雪が舞い始めた後半。高川学園が攻勢を強め、51分にFKのこぼれ球を林晴己選手(3年)がゴール。その9分後にも、再びセットプレーから中山桂吾選手(3年)が頭で押し込み、2-1と高川学園が逆転に成功します。
ビハインドとなった岡山学芸館はシステムを3バックに変更し、中盤の人数を増やしてゴールに迫ろうとしますが、高川学園の強いフィジカルと落ちることのない運動量の前に好機を演出できず、そのまま試合終了となりました。
■攻撃的サッカーと悔しさを受け継ぐのは
試合後、岡山学芸館の高原良明監督は「前半のうちにもう1点とれていれば…」と悔やみました。「いい形で先制できただけに悔しい。相手のフィジカルとスピード感にやられた。強かった」と言葉を絞り出しました。
チーム発足直後「今年は力がない」と話していた高原監督。しかし、チームは夏のインターハイベスト8に輝き、長年目標にしていた「全国大会ベスト8」を達成しました。その要因は、ボールを保持しながら積極的に相手ゴールに迫る攻撃的なポゼッションサッカーを貫いてきたことにあります。「個の力がない中で、グループで組織的に相手を崩すサッカーができてきた」とチームの成長について手ごたえを感じていた高原監督。それゆえに、悔しい2回戦敗退でした。
「もう一度、体作りからはじめる。個の力を強化して、また来年戦い抜く」――高川学園のフィジカルの強度を目の当たりにした岡山学芸館。新チームには、今年の主力であった、今井拓人選手や木村匡吾選手、岡本温叶選手など多くの2年生が残ることになります。先輩たちが繋いできた攻撃的なサッカーは、選手権の悔しい思いとともに後輩たちが受け継ぎます。
(取材・文:高校サッカー選手権民放43社/西日本放送)