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パリ五輪 スケボー女子 開選手 2大会連続のメダル なぜ日本は強いのか? 関係者が明かす 日本特有の“3つの理由”とは

2024年8月7日 16:51
パリ五輪 スケボー女子 開選手 2大会連続のメダル  なぜ日本は強いのか? 関係者が明かす 日本特有の“3つの理由”とは
2大会連続「銀」を獲得した 開心那選手(写真:長田洋平/アフロスポーツ)
パリのコンコルド広場で行われた、スケートボード女子パークで、2大会連続で「銀」メダルを獲得した15歳の女子高校生、開 心那選手。今大会、開選手のほかに堀米選手、吉沢選手、赤間選手がメダルを獲得しています。
東京オリンピックから新種目になったばかりで、競技としては歴史が浅いスケートボードですが、なぜ日本は強いのでしょうか?選手たちを知る関係者を取材すると、日本特有の“強さの秘密”が見えてきました。

■強さのワケ①「日本人の勤勉さ」「スケボーが安く買える」

「やはり日本人の“勤勉さ”ではないでしょうか」

こう話すのは、パリ五輪で金メダルを獲得したスケートボード女子の吉沢 恋選手を指導する、プロスケーターの寺井裕次郎さんです。寺井さんは、日本が強い理由の1つは、スケートボードに対する「勤勉さ」だと話します。

プロスケーター寺井さん
「海外の選手に比べて、日本の選手の方が熱心に練習しますね」

目標に向かって一生懸命、精を出してはげむ“勤勉さ”が、他国にはない日本の強さの秘密だといいます。

またスケートボードは、「他の競技と比べて、道具を安くそろえられるため、親の金銭的な負担も少なく、子どもが身近にスケートボードを始められる」と話します。

■強さのワケ② 「日本独自の育成システム」


2つ目は、子どもたちの「育成」です。

ワールドスケートジャパンの宮沢 武久専務理事は、“日本独自の育成システム”があるといいます。

ワールドスケートジャパン 宮沢専務理事
「4歳から6歳くらいの時からスケートができる環境や、システムがある事です。日本スケートボード協会(AJSA)の競技にキッズスケーターの登竜門と言われるコンテストがありますが、小さい時から大会に出て、100人から200人が競争して上達し、アマチュア大会から最終的には、17歳から18歳くらいでプロになるという、一貫したシステムが日本にはあります。これは外国では聞いたことがなく、“日本独自のシステム”です」

例えば、5歳でスケートボードを始めた場合、10年後にオリンピック選手になるための日本独自の育成システムが形成されているといい、かつては、まだ幼かった堀米選手や開選手なども参加し技術を磨いていったといいます。

■強さのワケ③ 「身近にスケボーができる環境」


3つめは、「スケートボードができる環境」です。
以前は、公園などの街中で禁止されて練習できる場所が少なかったり、騒音などの問題もありましたが…

ワールドスケートジャパン 宮沢専務理事
「最近は多くのスケートパークが完成し、競技環境が抜群に整ったことが大きいです。スケートパークがなれば上達に限界があります。多くの地方自治体が、子どもたちの為に予算を捻出して造る施設が日本を強くしているのは大きな要素です。これからも多くのハイレベルなパークが完成し、多くのスケートボーダーの育成に貢献してくれることを信じております」

NPO法人「日本スケートパーク協会」によりますと、公共のスケートパークの数は、東京オリンピック開催時の2021年は、全国で243か所でしたが、2024年5月の時点で475か所と2倍近く増加。選手や子どもたちが練習できる環境が整っていることが、日本の強さに結びついていると話します。

冒頭のプロスケーターの寺井さんは、スケートパークで、身近にトップクラスの選手たちと一緒に練習できることが大きいといいます。

プロスケーター寺井さん
「スケートパークにはトップクラスの選手も練習しますが、子どもたちが自然とプロの技を見ることもできますし、実際に『自分もできるのではないか』と練習する子もいます」

ワールドスケートジャパンは、 日本特有の「勤勉」「育成」「環境」の3つが日本の強さにあるとした上で、

プロスケーター寺井さん
「これらを総合的にできる国は日本以外にはありません。それを続けられる日本は、“スケートボードが強い国”として継続できると思います」

1980年代から1990年代のスケートブーム後、音楽やファッションなどが融合し、ストリートカルチャ―として定着していったとされるスケートボード。堀米選手や、吉沢選手らがスケートボードを始めたきかっけは、父親など家族だったといいます。

若い世代が五輪を見るきっかけにもなっているスケートボード。日本の選手の活躍に今後も期待です。

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