【独自】井上尚弥アジア初4団体統一へ「不安は常に」ネガティブな気持ちさえも力に変える方法は
■ストレス発散は「普段サンドバッグ叩いているので」
11月10日、井上選手がトレーニングするジムを訪れた有働キャスター。
井上選手は笑顔でリング上に迎えてくれました。
有働「試合まで1か月だからキリキリしていますか?」
井上「そんなにキリキリしてもしょうがないし、来るべき日は来るので、ストレスを溜めないようにマインドコントロールをしています」有働「今の時期は試合当日に向けてどういう時期ですか?」井上「11月14日から本格的に減量するので、中途半端な時期です。今は食べ過ぎも落としすぎもいけなくて、そのバランスが難しいですね」
有働「今の食事はどういう感じですか?」
井上「今は食べておこうかなと思って焼き肉とか。タンから始まり、ハラミ、ロース、そしてタンで終わるみたいな」
有働「ご飯食べるときにはお酒は飲みますか?」
井上「お酒は基本的に飲みません。自分のなかで決めているというところもあるし、アルコールの味が好きではないですね」
有働「お酒を飲まないとなると、どういうところでストレス発散していますか?」
井上「普段サンドバッグめちゃくちゃ叩いているのでそこで発散ですね笑」
■「自分にプレッシャーを与えて」ネガティブな気持ちさえも力に変える
世界バンタム級3団体統一王者の井上選手は、13日にWBO王者ポール・バトラー選手と対戦します。勝利すればアジア人初の4団体統一の偉業を達成することになります。
この試合に向け11月初め、2泊3日の合宿を行った井上選手。総距離50キロ以上の走り込みなど、過酷なメニューもこなしていましたが、そのトレーニングにはバトラー選手を攻略するためのテーマがありました。
井上「テーマは"圧倒的なスタミナ"です。同じ世界チャンピオンで12ラウンド戦い抜くスタイルの相手なので、自分が仕掛けていかないといけないとなると、倍のスタミナを使うんですよ。長いラウンドを想定してトレーニング内容を組んでもらいました」
有働「スタミナ面で特にきつい練習はありますか?」井上「やっぱり走り込みだったり、強弱をつけて無酸素で連打だったり、練習内容は自分で組み立てています」
有働「甘えてしまったり、慣れてしまったりは?」
井上「だからこそ「圧倒的に勝ちます」って言うんですよ。自分にプレッシャーを与えて、もっとやらなきゃって思うために」
有働「そんな完璧な準備をしても不安はありますか?」
井上「ありますね。これだけやってきたから大丈夫という自信と、パンチがあたらなかったらどうしようという不安は常に思っています」
それでも不安な気持ち全てがマイナスになるわけではないと言います。
井上「ネガティブな気持ちで相手を過大評価して、自分のボクシングが通用しない想定で試合まで持っていくことで、試合当日のギャップに変わる」
有働「例えば相手のレベルが本当は『8』ぐらいだけど『10』ぐらいの力があると思って準備する?」
井上「対戦相手の映像を見て戦い方を想定して、相手を過大評価して作戦を立てていきます。相手の実力を『10』だと思って試合に臨んで、実は『15』でしたみたいなズレは今までなかったですね」
12月でプロ10年目の井上選手は23戦23勝と圧巻の戦績を残しています。プロになって無敗がゆえに、負けることへの怖さもあると言います。
井上「負けることの怖さもありますし、試合の36分間で結果が全て崩れちゃう怖さもある。ただその試合に向けて100%出し切って、それでも負けたなら相手が強かっただけ。またその負けで23戦勝ち続けてきた景色以外の何かがあると思いますし、それがまた自分を強くしてくれると思っています」
井上選手は13日、アジア人初となる4団体統一へ、ポール・バトラー選手と対戦します。