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歴史に残る激闘後に“スポーツマンシップ”あふれる1シーン 小田凱人と激闘演じた世界1位ヒューエットがみせた行動 【車いすテニス】

2024年9月8日 17:34
歴史に残る激闘後に“スポーツマンシップ”あふれる1シーン 小田凱人と激闘演じた世界1位ヒューエットがみせた行動 【車いすテニス】
試合後、抱擁を交わすイギリスのヒューエット選手と小田凱人選手(写真:森田直樹/アフロスポーツ)
パリパラリンピック2024 車いすテニス男子シングルス決勝(現地7日、ローランギャロス)

男子シングルス決勝は、世界ランク2位小田凱人選手が世界ランク1位イギリスのアルフィー・ヒューエット選手を2-1(6-2、4-6、7-5)で下し、金メダルを獲得。試合後、コートに倒れ込んだ小田選手に対して、敗れたヒューエット選手はスポーツマンシップあふれる行動で祝福しました。

試合は第1セットを小田選手が先取しますが、第2セットはヒューエット選手が取り返す展開。第3セットは、ヒューエット選手がゲームカウント3-5で迎えた第9ゲームにチャンピオンシップポイントを握りましたが、小田選手がしのぎブレークに成功します。勢いそのまま4ゲームを連取し、パリの地でパラリンピックの王者へ。初出場の18歳は、車いすの車輪を外し、コート上に倒れ込みました。

すると敗れたヒューエット選手は小田選手のもとへ。車輪を拾い、目に涙を浮かべる小田選手と抱擁します。そして何かを小田選手へ伝える様子がありました。

このときかけた言葉について、ヒューエット選手は「負けたが胸を張れる。素晴らしいショーを披露できた。それが最後にトキトに言ったことで“今日やったことは驚くべきことであり、歴史に残るだろう”ってね」と、激闘を振り返りました。

現在26歳のヒューエット選手は、これまでに全豪・全仏・ウィンブルドン・全米の四大大会で優勝。パラリンピックでは2016年のリオデジャネイロ大会で銀メダル、2021年の東京大会で4位と初の金メダルを目指してきました。

四大大会とパラリンピックで優勝する生涯ゴールデンスラムは、今大会での達成を逃したヒューエット選手。それでも試合後はスポーツマンシップあふれる行動で勝者をたたえ、“歴史に残る激闘”を彩りました。