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契約延長の長谷部“サポーターの前で引退”

2021年3月12日 1:03
契約延長の長谷部“サポーターの前で引退”

サッカー元日本代表の長谷部選手が所属するドイツ1部リーグ、フランクフルトは今月9日、来年6月までの1年契約を、新たに長谷部選手と結んだことを明らかにしました。

長谷部選手は日本時間の10日、所属クラブで会見を行い、契約更新に対する考えや現役生活を長くやれる秘訣を語りました。

※会見全文の後編です。

ーースタジアムに熱狂が戻るまではスパイクは脱げないと言っていたが、契約が延長されてその心情は強くなったか

長谷部
「現状コロナ禍で約1年無観客の試合が続いて、観客のいないスタジアムは雰囲気・感情・エモーショナルな部分が欠けているので、改めてファンやサポーターがあってのサッカーだなと日々感じている。僕自身本当にこのチームのファン、サポーターに感謝しているし、日本のサポーター、サッカーファンの方にも多くの感謝を持っている。この1年間でスパイクを脱いだ選手も沢山いて、やはりサポーターと直接さようならなどの、そういう言葉を掛け合えない中での引退を目にして、僕はできればサポーターがスタジアムにいる前でスパイクを脱ぎたいと、1つのモチベーションであったことは事実」

ーー前のキャプテンであるダビッド・アブラハム選手が引退を表明した時の気持ちは

長谷部
「サッカー選手の引き際は人それぞれだと思うし、ダビッドに関しては、彼はチームのキャプテンで、家族と子供と離れ離れに生活していた部分もあった。自分には想像できないし彼の決断を尊重している。ただ彼がサポーターに直接送り出してもらうことができなかった姿を見て、もう少しいい形で送り出してあげたかったと思った。引き際に関しては、わかりやすいところで言えばヒデさんのように20代で引退する人もいれば、カズさんのように長くサッカーやられる方もいるし、本当にどれも尊重されるべきだと思っている。周りがどうこうというよりは、僕自身、サッカーに対する気持ちや、僕を取り巻いてくれているファン・サポーター・多くの方々の気持ちを背負って、総合的に引退の時期は決めたい」

ーー長くサッカーを続けられる秘訣は

長谷部
「僕自身明確なものはわからない。1つはやっぱり、サッカー選手としても人間としてもバランス力かなと思っている。小さなところで言えば、食事に気を付けている。家で日本食、体にいいものを作ってもらって食べるようにしている。けどお菓子も好きで食べるし、揚げ物も食べる。けど自分の中でここまでって決めたらそれ以上は食べない。トレーニングでも人それぞれだけど、年齢を重ねれば多くやらないといけないと思う。そこを調整するバランス感覚や、ケガをしない部分に関しては、もちろん親に感謝しなければならない部分もある。体のケアは自分もするし、治療してくれる方にも感謝するし、自分一人だけのものでもないと思っている。自分が長くできるのは自分の努力もあるが、それ以外の周りの方々との兼ね合いも僕は運よく自分はあった。クラブとか監督とか、そういう人たちとの相性とか。自分ではないほかの方の部分も大きいと思う」

ーー自分のバランス感覚に気づいたきっかけは

長谷部
「徐々にですね。若い頃は自分の力でキャリアは全てどうにかなると思っていた。でも経験を重ねていけば、やはり自分の力ではどうにもならないことが沢山あった。例えばマガト監督はすごい厳しい監督だったが、今思えば彼がいなかったら今の自分はいないと思うし、彼のやり方から学んだこともある。自分に関わってくださる全ての人があっての自分だなっていうのは年齢を重ねるごとに思う」

ーー来シーズンについて

長谷部
「来シーズンのことはまだ考えられていない。残り10試合、順位も4位でチャンピオンズリーグ圏内にいるから、とにかく今シーズンの残り10試合を駆け抜けたい。そして来シーズンは自分の中でも最後のシーズンだと思って戦っているので、最後のシーズンにヨーロッパの舞台で戦えたらそれは非常に大きい。まずは今シーズンを最後までやりきることに集中したい」

写真:(C)Eintracht Frankfurt