吉田秀彦氏 古賀稔彦さんの死を追悼
バルセロナ五輪・柔道の金メダリスト古賀稔彦さんが24日、亡くなりました。53歳でした。古賀さんの訃報を受け、同じくバルセロナ五輪の男子78キロ級で金メダルを獲得した吉田秀彦さんが、追悼のコメントを発表しました。
以下、吉田秀彦さんのコメント全文。
古賀先輩の訃報を聞き、今はただ驚きと、まだ信じられない気持ちでいっぱいです。
最後まで奇跡を信じていましたが叶いませんでした。
今の私があるのは、古賀先輩のお陰と言っても過言ではありません。
私は中学3年生の時に講道学舎に入門しましたが、古賀先輩は柔道が弱かった私を付き人に指名してくれました。それからは練習はもちろんのこと、私生活でも常に行動を共にしていただいたことで、柔道の技術的にも、精神的にも強くなれました。
バルセロナオリンピックでは、怪我で柔道が出来る状態ではなかった古賀先輩が優勝した瞬間、私が金メダルを取ったとき以上の喜びを感じました。
古賀先輩が見せたあの精神力は、今も私の支えとなっています。二人で勝ち取ったバルセロナオリンピックの金メダルは一生の宝です。
現役引退後は、後進の指導や子どもたちへの柔道普及活動など柔道界の発展に尽力された古賀先輩に、私から人生の金メダルを送らせていただきます。ご冥福を心よりお祈りいたします。
2021年3月24日 吉田秀彦
写真:日刊スポーツ/アフロ