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世界選手権銀・富田宇宙 初のパラ代表内定

2021年5月21日 22:11
世界選手権銀・富田宇宙 初のパラ代表内定

東京パラリンピックの代表選考会を兼ねたジャパンパラ水泳大会が横浜国際プールで21日に行われ、400m自由形で視覚障害が最も重いクラス(S11)に出場した富田宇宙選手が派遣基準記録を突破し、初のパラ代表に内定しました。

午前中に行われた予選で4分33秒26を出した富田選手。S11クラスの派遣基準記録は4分40秒93でパラリンピック代表に内定。決勝では少しタイムを落としましたが、4分37秒27と粘り強い泳ぎを見せました。

レース後、報道陣に決勝でタイムを落としたことに触れられると「すみません」と笑いながら答えた富田選手。「午前中の調子がよかったので午後、自分の日本記録を更新してカッコよく終わりたかったが、力みましたかね。午前中の方がリラックスできていた。だいぶ速いタイムで(予選)泳いだので、疲労もあったかもしれません」と話しました。

富田選手は熊本市出身の32歳。3歳から水泳を始めましたが、16歳の時に網膜色素変性症という失明の原因にもなる進行性の病気と診断されました。

その後、大学では競技ダンスを始め、全日本学生選抜競技ダンス選手権大会への出場経験もあります。2012年にパラ水泳に転向。2019年の世界選手権で400m自由形と100mバタフライで銀メダルを獲得しています。

その世界選手権で100mバタフライ1位に輝いたのは日本パラ水泳界のエース。すでに代表内定を得ている木村敬一選手。木村選手は、富田選手について「自分を高める存在として、どんなトレーニングよりも効果のある存在」と話すほど。

二人での合同合宿もこれまでに何度か行っていて、東京パラリンピックではこの二人がメダルを量産することが期待されています。

富田選手と木村選手は、ジャパンパラ水泳では2日目の100m自由形、3日目の100mバタフライにエントリーしています。

写真:西村尚己/アフロスポーツ