【23日号砲】箱根予選会 注目の上位争い
第98回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)予選会が、23日に陸上自衛隊立川駐屯地で開催されます。各大学の実力がきっ抗するなか、今年の正月にシード権を逃し、予選会から巻き返しを図る伝統校、常連校、さらに注目の日本人トップ候補を紹介します。
■中央大学
本大会で史上最多14回の総合優勝を誇るのが中央大学です。今年の箱根駅伝は序盤の出遅れが響き12位でしたが、復路の順位は3位と、名門の意地を見せました。
2年生エースの吉居大和選手(※写真)は、昨年の予選会で1年生ながらチームトップの個人10位と奮闘しました。5000mのU20日本記録(20歳未満の日本記録)保持者ですが、まだ19歳。今回は、昨年日本人トップの三浦龍司選手(順天堂大学2年・東京五輪3000m障害代表)が樹立したハーフマラソンのU20日本最高記録を更新できるかにも注目が集まります。
主力の一人、森凪也選手(4年)は、前半戦は不調でしたが、予選会に無事エントリー。前半戦好調だった三浦拓朗選手(4年)や、今季力を付けてきた中野翔太選手(2年)もチームを引っ張ります。
■明治大学
明治大学は、昨年11月の全日本大学駅伝で3位となり、箱根駅伝では優勝候補にも挙げられましたが、波に乗れず11位に終わりました。
今季は、キャプテンの鈴木聖人選手、副キャプテンの手嶋杏丞選手の4年生コンビが強力で、名実ともにチームを引っ張る存在です。その他、加藤大誠選手(3年)、櫛田佳希選手(3年)、児玉真輝選手(2年)も他校のエース格と渡り合える力があり、小澤大輝選手(3年)、橋本大輝選手(4年)は今季好調と、戦力が充実しています。
箱根駅伝経験者2人がメンバーから外れましたが、エントリー選手の10000m平均タイムは、出場41校中トップです。夏合宿では例年より走る距離を延ばし、スタミナを強化。万全な準備をして臨みます。
■法政大学
法政大学は、昨年の予選会では後半に順位を上げ、8位に滑り込みました。今年の箱根駅伝では、鎌田航生選手(現4年)が1区区間賞の活躍を見せました。さらに、強風が吹き荒れた3月の日本学生ハーフマラソン選手権でも、予選会と同じ駐屯地内のコースで大学生日本一に輝いています。ロードに強く、日本人トップ候補の1人です。
今夏の東京オリンピックには、5000mに坂東悠汰選手(富士通)、3000m障害に青木涼真選手(Honda)と、法政大学OBの2人が出場しました。先輩の活躍も追い風に上位で突破したいところです。
■日本体育大学
初出場から73回大会連続で箱根駅伝に出場しているのが日本体育大学です。エースは3年生の藤本珠輝選手。6月の全日本大学駅伝関東選考会では、日本人トップの走りでチームを本大会出場に導きました。夏前にケガをしましたが現在は回復傾向で、予選会には出場できる見込みです。
上級生に力がある選手が多く、今回も4年生が5人、3年生が6人もエントリーされました。そんな中、唯一1年生でエントリーされたのが分須尊紀選手。全国高等学校陸上競技大会(全国高校総合体育大会の代替試合)で3000m障害を制した実績を引っ提げて、大学入学後も着実に成長を見せており、この予選会でもキーマンの1人です。
■拓殖大学
拓殖大学は、昨年の予選会で個人トップのジョセフ・ラジニ選手(3年)が健在。9月に10000mで27分25秒65の日本学生新記録を打ち立てるなど、昨年以上に強さを増したばかりか、調子を上げてきています。また、主将の合田椋選手をはじめ、佐藤広夢選手、新井遼平選手ら4年生の戦力が充実しており、6月の全日本大学駅伝選考会も4位通過を果たしました。9月の各種記録会で自己新記録をマークした選手も多く、調子の良さが伺えます。
以上の5校と中央学院大学は、2週間後に全日本大学駅伝を控えています。各校の戦略によって、順位も変わってきそうです。
■その他の常連校、伝統校
国士舘大学は、ハーフマラソンを59分51秒(日本学生歴代2位)で走っているライモイ・ヴィンセント(4年)が大黒柱ですが、三代和弥選手(4年)ら日本人選手も力を付けてきており、昨年以上に強力な布陣を築くことができそうです。
神奈川大学は、今年の箱根駅伝で1区4位の呑村大樹選手(4年)や、持ちタイムチーム上位の川口慧選手(4年)、島崎昇汰選手(3年)をエントリーできませんでした。一方で、エントリーメンバーの14人中半数の7人を2年生が占めました。予選会を得意とするチームですが、若い力が鍵となりそうです。
その他、エース砂岡拓磨選手(4年)を擁する城西大学、箱根駅伝4区区間賞のポール・オニエゴ選手(4年)を擁する山梨学院大学、昨年の予選会で10位に滑り込んだ専修大学が連続出場を目指します。
まさに激戦必至。わずか10枚の切符を手にするのは果たして…!?箱根駅伝予選会は、23日9時35分スタートです。