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戦国を制した専大北上 高校サッカー・岩手

2021年12月13日 18:46
戦国を制した専大北上 高校サッカー・岩手

第100回全国高校サッカー選手権は12月28日に開幕します。岩手県代表の専大北上高校は29日に一回戦で、奈良県代表の奈良育英高校と対戦します。

岩手のサッカーの歴史を紐解きながら、11月7日に行われた岩手県大会決勝戦の模様を振り返り、全国での戦いを展望します。

■専大北上(2年ぶり2回目の出場)

岩手県でサッカー競技に取り組むようになったのは大正13年(1924年)からです。最初に全国選手権に出場したのは盛岡中学。現在の盛岡第一高等学校で、記念すべき岩手県代表としての初戦は兵庫県の神戸一中に6対1で敗れるところから歴史がスタートしました。

その後、遠野高校が35回大会に初出場で勝山を下し県勢初勝利をあげると、39回大会には全国準優勝を果たし、「岩手に遠野あり」という印象を全国に深く刻みつけました。

その後は、のちに85回大会で全国制覇を果たす盛岡商業が台頭するなど、長らく遠野と盛岡商業、どちらが全国選手権に出場するか、両チームの県決勝での対戦は「伝統の一戦」と呼ばれ、最後の最後までどちらが勝つか分からない死闘を繰り広げる冬の風物詩となりました。

これまで全国選手権出場は遠野が29度で最多、盛岡商業が16度、盛岡市立と元日本代表・小笠原満男さんがいた大船渡が3度、盛岡第一と専大北上が2度(今回を含む)、そして釜石南と不来方、盛岡中央が1度ずつ。過去9校が全国の舞台を踏みました。

今年の県決勝は2大会ぶりの全国を目指す専大北上と10大会ぶりの優勝を目指す盛岡商業の対戦でした。

岩手県は91回大会に私立・盛岡中央が優勝するまで、県立校のみが全国に出場してきましたが、盛岡中央に続き私立校として史上2校目の出場を2大会前に果たした専大北上がまずは開始2分に先制。

ただ、盛岡商業も後半アディショナルタイムに追いつき延長戦までもつれる激闘でした。最後は延長後半に、2大会前の全国のピッチを唯一知る専大北上の鎌田悠生選手がゴールを奪い2対1で勝利。専大北上が2大会ぶり2度目の全国の切符をつかみ取りました。

専大北上の小原昭弘監督は「全国制覇を知る盛岡商業や強豪・遠野がこれまでは接戦を制する強さと伝統があったが、この試合をモノにしたことで新しい時代が到来する」と試合後に話しました。

自身も盛岡商業の出身で昭和最後の67回大会と平成最初の68回大会に選手として全国の舞台を経験し、監督になってからは専大北上を令和最初の全国選手権に導いた小原監督。県立の強豪を倒し、私立高校が決勝に勝ち上がってくる新しい構図が岩手県にも見られ、これから真の意味での競争が始まりそうです。

(取材・文:高校サッカー選手権民放43社/テレビ岩手)