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高校サッカー香川 イチロー氏来た高松商業

2021年12月22日 16:12
高校サッカー香川 イチロー氏来た高松商業

第100回全国高校サッカー選手権は12月28日に開幕します。4年ぶり24回目の出場、香川代表の高松商業は大みそかに鹿島学園(茨城)との初戦を迎えます。高松商業のチームの特長と注目選手を紹介します。

■相手の長所を消すサッカー 真骨頂は県大会決勝戦

高松商業は地区大会5試合で8得点2失点。準決勝、決勝はいずれも無失点。組織的な守備が武器です。決勝戦の相手はポゼッションとパスサッカーで初優勝から2大会連続で県大会を制していた大手前高松でした。

序盤からボールを保持する大手前高松はMF前田快選手(2年)を起点にチャンスをつくろうとしましたが、高松商業がFW鍋島愛翔選手(2年)やFW鈴木康生選手(3年)の2トップなど攻撃的な選手の素早いプレスと連動した守備で大手前高松の長所であるビルドアップを封じました。高松商業の守備を前に自陣の後方で横パスをつなぐことが多くなってしまった大手前高松は、後半途中出場のFW兵頭俊哉選手(2年)が放ったシュートがチーム唯一。高松商業がチーム全員で大手前高松の長所を消した一戦になりました。

注目選手は準決勝、決勝で決勝ゴールを挙げたMF與田拓海選手(3年)。J3カマタマーレ讃岐のユースチーム出身です。4年前に全国大会に出場した高松商業の選手たちの姿をテレビで見て入学。そんな與田選手は、「ボランチは目立たないポジションかもしれないが、自分のプレーを見てかっこいいと思って高松商業を目指す選手が出てきてくれたらうれしい」と話します。謙虚に語る與田選手ですが県大会は5試合で3ゴール。すでに輝きを放っています。

■野球部にはイチローが! サッカー部主将はあの代表選手に指導を受けたい
 
今大会の出場校のうち、野球部が夏に甲子園大会に出場した高校は6校です。その中で高松商業は唯一の県立高校。「部活の高商」を学校のスローガンの一つに掲げています。サッカー部は選手権で県勢最多24度の出場回数を誇り、野球部は甲子園春夏通算優勝4度、準優勝3度の全国屈指の強豪校です。

しかし県立高校ということもあり、限られた環境で練習をしています。サッカー部は多い時には週3回ほど、学校の白土のグラウンドを野球部と共同で使って練習をしています。お互いのボールが練習をしているところに転がってくることもあります。限られた環境でも結果を出す理由についてサッカー部の川原寅之亮監督は「野球部に刺激を受けている。絶対に環境のせいにはしない。練習も工夫をして取り組んでいる」と話します。

12月11日、12日に元メジャーリーガーのイチロー氏が野球部を直接指導。今夏の甲子園大会で、前年にイチロー氏が直接指導をした智辯和歌山に敗れ、野球部の長尾健司監督が「うちにも来てほしい」とラブコールを送ったことがきっかけでした。

サッカー部の主将・DF佐藤海七多選手(3年)に誰から指導を受けてみたいかと聞くと、「日本代表DF長友佑都選手。同じサイドバックで身長は高くなくても世界で戦えるところに憧れる。以前ほかの元日本代表選手に直接指導を受けたときに本当に刺激になって成長できた。技術もすごかった。長友選手にぜひ来てほしいです」と学校のグラウンドで、笑顔で話す佐藤選手の背中には、練習に励むサッカー部と白球を追いかける野球部の姿がありました。

※写真は香川県大会決勝戦、勝利の瞬間

(取材・文 高校サッカー選手権民放43社/西日本放送)

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