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今季8戦6勝 パリ五輪金メダル大本命 "逆転の女王" やり投げ・北口榛花 日本史上初の快挙なるか

2024年8月7日 12:15
今季8戦6勝 パリ五輪金メダル大本命 "逆転の女王" やり投げ・北口榛花 日本史上初の快挙なるか
金メダルが期待される北口榛花選手(写真:AFP/アフロ)
陸上でパリオリンピックでの金メダル大本命とされている、やり投げ北口榛花選手。アメリカの大手データ会社、グレースノートのメダル予想でも、北口選手は金メダル獲得が予想されています。

北口選手は去年8月の世界選手権で、女子フィールド種目初となる金メダルを獲得。さらに世界最高峰のリーグ戦、ダイヤモンドリーグファイナルで、日本選手初の年間チャンピオンに輝くなど、日本初の偉業を成し遂げてきました。

◇スポーツ万能少女から世界女王へ

「榛花」という名前の由来は、ヘーゼルナッツを意味する榛=はしばみ から。実は、北口選手の父はパティシエで、世界選手権で優勝したときには、お祝いにシュークリームのタワーを作ってくれたそうです。

スポーツをしていた両親の影響もあり、幼い頃から運動神経がよかった北口選手。小学生の時には、バドミントンの全国大会で、東京五輪・パリ五輪代表の山口茜選手と対戦した経験もあります。また、水泳でも中学校の全国大会に出場するほどの実力者でした。

やり投げを始めたのは高校生の時。大学4年生の2019年5月には、これまでの日本記録を56センチ更新する日本新記録をマークすると、同年10月には66メートルのビッグスローを披露し、1年に2度の日本記録を打ち立てたました。

北口選手の最大の武器は、柔軟性をいかした、しなやかな投てきです。もっと強くなりたいと、2019年には単身で"やり投げ大国"のチェコへ。「走ることがやり投げの基本」とのセケラックコーチの教えで、助走の改良や筋力アップに努め、土台を強化。懸命な努力で世界女王にまで上り詰めました。

やり投げの競技時間は約2時間。全選手が3回ずつ投げ、上位8人の"トップ8"に進んだ選手のみが残りの3投を投げることができます。北口選手に、競技を楽しむためのポイントを尋ねると、「投てきと投てきの間」との答えが。「投げているところも、もちろん注目してほしいんですけど、投げと投げの間にいろんなことをしているのでそういった部分も楽しんで見てもらえたら」と話します。実は、試合の合間には、走ったり、やりを使ってストレッチをしたり、時には寝っ転がったり…と様々なことをしている北口選手。"カステラを食べる"というルーティーンもあり、「最初食べた時に日本記録が出て、それからげん担ぎと思って続けていたら、やめられなくなりました(笑)」と明かしています。北口選手の一挙手一投足に注目して、競技を見てみるのも面白いかもしれません。

◇最終投てきに強い"逆転の女王"

北口選手の強さがわかるデータもあります。去年7月の大会から、なんと11連勝を達成。さらにこの1年間、14戦中10戦においては、最終投てきでの優勝を決めてきました。去年の世界選手権や、今年4月のダイヤモンドリーグ蘇州大会、5月のパリ前哨戦のセイコーゴールデングランプリ、7月のダイヤモンドリーグモナコ大会では、最終6投目で逆転優勝を演じてきた、まさに"逆転の女王"です。

◇パリで悲願の五輪金メダルへ

メダルが期待され挑んだ2021年の東京五輪は、予選で負傷し、悔しい12位。今季はここまで8戦6勝と好調の世界女王が、2度目の五輪でのリベンジに挑みます。北口選手にとって、世界一となったのは、もう「過去のこと」。パリ五輪での目標について「簡単ではないとは思うんですけど、やっぱりメダルは取りたいですし、金メダルの良さというものを去年(世界選手権で)知ってしまったので、その色が金であればより良いなと思っています」と笑顔で語った北口選手。女子やり投げは日本時間8月7日に予選が、11日に決勝がおこなわれます。

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