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【W杯】スペイン戦決勝点の田中碧「彼を信じて良かった」 ライン際でクロス上げた“お兄ちゃん”三笘薫に感謝

2022年12月3日 21:48
【W杯】スペイン戦決勝点の田中碧「彼を信じて良かった」 ライン際でクロス上げた“お兄ちゃん”三笘薫に感謝
スペイン戦で決勝ゴールを決めた田中碧選手(左)と、三笘薫選手(右) 写真:Agencia EFE/アフロ
◇サッカーFIFAワールドカップカタール2022(11月20日~12月18日)

強豪のドイツ、スペインを破り、グループリーグ1位通過で決勝トーナメントに進出した日本代表。決勝トーナメントのクロアチア戦を控えた3日、田中碧選手が取材に応えました。

スペイン戦では三笘薫選手がラインぎりぎりで折り返したクロスを田中選手が押し込み、これが決勝ゴールとなりました。小学生の頃から同じクラブチームに所属していた三笘選手と1学年下の田中選手は“幼なじみ”。W杯の大舞台で、感動的な得点となりました。

◇田中碧選手インタビュー全文

――ここまで2試合(ドイツ戦、スペイン戦)でスタメン出場されていますが、グループリーグの試合を振り返って

「結果としては素晴らしい結果なのかなと思います。1試合負けはしましたけど、1位突破という意味ではこれ以上ない結果だと思うので、それはすごくいいことなのかなと思います」

――勝利した2試合とも前半と後半で大きく試合内容が変わりました。ハーフタイムではチーム内でどのようにメンタリティの切り替えを行っていますか?

「毎試合ハーフタイムというのはすごく重要にはなるので、コスタリカ戦も結果は出なかったですけど、前半と後半でまたちょっと違うゲームにはなりました。前半うまくいかないというのは毎試合サッカーで起きることなので、それに対して後半途中から出てくる選手もそうですし、ギアを上げるというのは常に意識はしていることなので、それが功を奏してるのかなと思います」

――前半スペインの支配率が約8割となっていましたが、試合中に焦りはありましたか?

「失点した時はやっぱり0で進めたかったという気持ちはあったので、多少失点するのが早かったなと思いましたけど、そこで2失点目するのは絶対駄目だなと思いました。それ以外にも自分たちのピンチがあったかって言うとそんなになかったので、そういう意味では(ボールを)持たれてはいましたけど、そんなに自分たちがやられているっていう感じはなかったです」

――W杯という大舞台でゴールを決めましたが率直な気持ちは?

「うれしかったなあとやはり思います。ただチームの勝利が一番大事なので、チームが勝てたからこそ自分の得点っていうのがいいものになるとは思ったので。そういう意味では勝ったことが全てだし、その試合で自分が点を決められたというのは最高の喜びなのかなと思います」

――三笘薫選手がぎりぎりで体を張ってボールを上げましたが、出たんじゃないかというくらいのところでした。田中選手からあのクロスはどのように見えていましたか?

「僕は内側から見ているので、上から見えてないのであれですけど、出るかなっていう感じはしました。ただ最後まで信じて走ったので、それが最終的にはゴールにつながったので、彼を信じて良かったなって思います」

――小さな頃から一緒にサッカーしている三笘選手と一緒に得点できたのは特別なことですか?

「そうですね、やはりうれしいです。本来であれば僕のパスから彼が点を決めるのが本来の形ではあると思いますけど、その逆ではありましたけど。ただ本当に一緒にサッカーを小さい頃からやってきたので、こういう舞台でも一緒にできるのはすごく幸せだなって思いますし、なおかつ点を取れたっていうのはすごく幸せではありましたね」

――小さい頃の話は今もされますか?

「たまに。フロンターレの話とかはしますし、小学校とか中学校の話はしますけど(笑)そんな多くはないですね」

――お互いにどんな子供時代でしたか?

「僕はずっと追いかけてきた存在、お兄ちゃんみたいな存在、年上だったので。ポジションも違ったので、常に一緒にサッカーをするためには自分が上に行かなきゃいけなかったので、そういう意味ではお兄ちゃん的な存在でもありながら、自分の目指すべきステージにいる選手ではあったのかなと思います」

――世界の舞台では批判や賞賛の声の大きさが段違いかと思われますが?

「やっぱり自分が今まで見てきたワールドカップと、こうやってワールドカップの中でプレーする身になって感じるものはすごく大きく違うなと思います。自分たちがたくさんの人の期待をいい意味で裏切ったからこそ大いに盛り上がっていると思うので、そういう意味ではいいこともありますけど、もちろん負ければ批判されることもあるだろうし。ただ、やはり僕自身はいろいろな方々と一緒に戦いたいっていうのはあるので、どの試合も厳しい戦いが待っていますけど、常に自分たちの背中を押してほしいなと思います」

――この少し特殊とも言える環境で、平常心を保つ秘訣は?

「最後は自分自身がやるだけなので、誰に何を言われようと自分の今まで積み上げたものでここに立っている。自分が他の人よりも何十倍も何百倍も努力してここに来ているので、その誰かに何を言われようとも自分自身でつかみ取ったものを、あとは自分自身で生かすかだけ。そういう意味では今まで生きてきた自分の人生を信じてやっているだけなのかなと思います」

――対クロアチアというところでは、すでにチーム内で対策の話し合いや分析は進めているのでしょうか?

「まだ試合明けてからそんなに時間が経ってないのでリカバリーをしつつ、おのおのが映像を見ているのかなという段階ではあると思います」

――田中選手自身はどういったところに勝機を見いだしていますか?

「中盤の3人(モドリッチ選手、コバチッチ選手、ブロゾビッチ選手)が特に相手はすごく特徴のある、世界的にも有名な選手だと思うので、そこの攻防でまずは勝つことが主導権を大きく握る展開にはなると思うので、そこの勝負が一番大事なのかなと思います」

――最後にサポーターに一言お願いします

「ここまで来られたのも自分たちだけの力ではないというのは、自分たちがピッチで戦っていてすごく感じる。やっとスタートラインに立ったというか、ここからが本当の勝負だと思う。次の試合、本当にたくさんの方の力を借りて新しい歴史を作りたいなと思うので、ぜひ応援よろしくお願いします」
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