小平奈緒と韓国のイ・サンファ対談「引退しない?」「ひとまず今のこの時間を楽しみたい」
このレースを会場のスタンドから見ていた、かつてのライバルでもあり親友の韓国のイ・サンファさんは涙をこらえることができませんでした。
2人の友情が大きく取り上げられたのは、2018年の平昌五輪。
500メートルで先に滑った小平選手が五輪新記録を出し、会場からは歓声が。しかし、小平選手は人差し指を口に当て「静かに」と訴えました。後に滑る選手の集中を乱さず、フェアな状態で戦えるようにとった行動でした。
この時に滑ったのが、3連覇を目指す地元韓国のイ・サンファ選手でした。
結果は2位となり涙を流すイ・サンファ選手の元に、そっと寄り添った小平選手の姿は“国境を越えた友情”として大きく取り上げられました。
▽以下、newszeroでの2人の対談
小平
「シーズンの初めにサンファからメッセージをもらって、すごく勇気づけられた。(韓国語で)心配してくれてありがとう」
イ・サンファ
「私が経験した平昌五輪の時と状況が似ていて奈緒を見ると泣いてしまいそうで顔を見られなかった。私も(五輪3連覇のかかった)平昌に向けて準備するとき、とても苦しかった。トップを守るということは、本当に簡単ではない。奈緒が私のようでした」
小平
「私が今回北京に来た時、『サンファはもっと苦しい思いとともに平昌のスタートラインについたんだな』ということを考えると改めて偉大な選手だったと感じることができた。サンファが(平昌で)感じていた思いを今回私も北京で感じることができて、思いを共有できた感じがしてチャンピオンとしての貴重な経験ができた。サンファから学んだことかなと思っているよ」
そして小平選手はイ・サンファさんに伝えていなかったことを明かしました。
小平
「サンファには伝えてなかったんだけど、1か月前に足首を捻挫してしまって、その瞬間は4年間頑張ってきたのが台無しになってしまった悔しさがこみ上げてきた。北京に入るまでスタートを切れないと思っていたけど500メートルも1000メートルも自分らしい滑りは出せなかったけど、みんなやサンファの応援があったから最後まで歯を食いしばってがんばれた」
イ・サンファ
「最後まで頑張る奈緒だから、その姿を私たちに見せてくれると信じていた。ケガをしたからといって、言い訳しない選手。やっぱり奈緒は奈緒だなと思いました」
小平選手の今後についてイ・サンファさんが聞きます。
イ・サンファ
「競技を続けるの?引退しない?」
小平
「ひとまず今のこの時間を楽しみたいなと思っている」
イ・サンファ
「私は北京五輪が終わるのを待っていた。私たちはディズニーランドに行くと約束していますから」
小平「(韓国語で)行こう行こう。ディズニーランド行こうね」