選手権Vの前橋育英 激闘のPK戦舞台ウラ 味方のPKに背を向ける理由 緊張でいつもと違う後輩 先輩卒業に「ちょっとさみしい」

GK藤原が味方のPKを見ないワケ
PK戦が始まる前にキャプテンの石井選手は、「PK戦は藤原が主役。頼むという意味で」とキャプテンマークを藤原選手に託します。
藤原選手は味方のPKに対して、背を向け集中。これは「チームメイトのキックを見ると止められたら動揺してしまう。下を見て集中する時間に使ったり、スタンドを見て応援席からパワーをもらうため、見ないようにしている」と明かしました。
両チーム7人目まで全員が成功する緊迫した展開。7人目で決めた石井選手は、大きくガッツポーズをみせると、GKの藤原選手と熱い抱擁を交わします。ここで「自信を持って止めて。絶対できるから」と一言。
その直後、相手の8人目を藤原選手が好セーブ。この時、感情を爆発させた藤原選手は「きわどいコーズだったが、最後に“指先”でかき出せた」と振り返りました。
PK外した2年生に「こんな助走見たことない」 天を仰いだ監督には笑顔でツッコミ
決めれば勝利となる前橋育英の8人目。白井誠也選手(2年)が大きく外し、失敗。ピッチ上で崩れ落ちます。この場面を「顔緊張していた」「こんな助走見たことない」と緊張からか普段とは違う白井選手の動きを分析します。またチームを指揮する山田耕介監督が大きく天を仰いだ場面には「見たことない」「何回見てもおもしろい」と笑顔でツッコミをいれました。
さらにいつも通りPKを見なかった藤原選手は、「盛り上がっていたので、白井が決めて勝ったのかなと思って喜びに行って後ろをぱっと見たらゴールの後ろにボールがあって外したんだ」と当時の心境を吐露。
それでも藤原選手は、すぐさま涙を流す後輩のもとへ。藤原選手が駆け寄って抱きかかえ、頭をポンポンとし、「次は絶対自分が止めるから、後は任せろ」と声かけたといいます。