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平野歩夢“完璧”2回目ランが暫定2位で会場“あ然”、本人も「ちょっとイライラしていた」

2022年2月11日 18:11
平野歩夢“完璧”2回目ランが暫定2位で会場“あ然”、本人も「ちょっとイライラしていた」
平野歩夢選手の決勝2回目得点に会場“あ然” (写真:アフロ)
圧巻の滑りで平野歩夢選手が金メダルを獲得したスノーボード男子ハーフパイプ。“完璧”と思えた2回目の滑りが一時騒然となりました。

平野選手は最初のトリックで、五輪史上初成功となった超大技『トリプルコーク1440』を決めると、その後の4つの『ダブルコーク』もキッチリ決めました。

この滑りに、「人類史上最高難度のルーティン」とも実況され、最後のトリックで着地を決めた瞬間、会場にも大きな歓声があがりました。現場の海外メディアも手を挙げ、その滑りに驚きを見せていました。

高得点は確実で平野選手がトップに立つと思いきや、この時の暫定1位スコッティ・ジェームズ選手の得点(92.50)に届かず91.75どまり。得点が表示されたその瞬間、会場は“あ然”としました。「信じられない」と驚きの声が上がります。SNS上でも、「納得いかない」「なんで点数低いのか説明してくれ」など誰もが疑問を抱くスコアで、この時点では暫定2位となりました。

4年前の平昌五輪でも、平野選手のスコアを巡っては、金メダルを手にしたショーン・ホワイト選手との決勝でも様々な物議を醸しました。

“よみがえる4年前の悪夢”。平野選手が勝負の3回目のランで選んだのは2回目と同じルーティンでした。「着地をずれないでいく」と、より高い完成度で、“より完璧”に滑りきり、2位とおよそ3点差をつける96.00をたたきだし見事金メダルを手にしました。

2回目の点数のジャッジの不可解さを知る会場では、平野選手の“不屈の滑り”に再び大歓声があがりました。

“完璧”と思われた2回目のランを上回る“より完璧”なランでつかんだ五輪の頂点。「最後、いつもとは違う気持ちで、いい意味でイライラしていました」と、平野選手は笑いながら振り返りました。