「野球の世界、甘くないのも現実」巨人・松田宣浩が引退 「胸を張ってユニホームを脱ぎます」
プロ野球18年のキャリアに幕を下ろした巨人の松田宣浩選手。球場内を1周し、長年守った3塁ベース近くで、5回胴上げされると、最後はお約束の“熱男”ポーズをチームメートと一緒に決めました。
「きょうで“熱男”という言葉が、野球界ではなくなっていくと思うとさみしい気持ちでいっぱいです」
2015年にソフトバンクがチームスローガンに「熱男」を打ち立ててから、8年間、自らの代名詞として使ってきた愛着のある言葉。
自らが子どもの頃、巨人にあこがれていたように、自分の「熱男」っぷりにあこがれて、野球をやってきたと言ってくれる子がいつか出てくるかもしれない、と期待を込めました。
この日は2打席に立ち、結果はファーストへのファウルフライとライトフライ。夢であった東京ドームでホームランを打って「熱男」をするため、狙っていたのかと聞かれると、「狙ってません」ときっぱり。
「ホームラン最後狙うんだったら、今シーズン、去年も打てたと思うし。とにかくファンの皆さんにユニホームを着て、野球をしている姿を目に焼き付けていただきたいな、というそれだけで、打席に立ちました」
東京ドームで、環境を変えればなんとかなるかもしれない。そんな気持ちで巨人に切り込んできた松田選手は「そんな野球の世界、甘くないのも現実で、それは一番自分が気づいていました」とするも、この1年続けてよかったと続けました。
「去年でやめていたら、自分自身、すごく後悔があって、『もっとできたんじゃないか』、『やれたんじゃないか』。でも、去年できなくて、今年もできないってことは、力がないというのは認めないといけない。結果が全てのプロ野球なので、そこはもう何も悔いを残すことなくできたんじゃないかなと思います。だから胸を張ってユニホームを脱ぎますし、引退させていただきます」