【高校サッカー香川全力応援】人間力を磨き、堅守“超”攻で頂点へ!「寒川」を応援したい5つのこと
そのさぬき市に学校を構えるのが、創部40年の節目に悲願の初優勝を成し遂げた香川県代表の藤井学園寒川(以下:寒川)です。
12月29日の全国大会1回戦では北海道代表札幌大谷と県立柏の葉公園総合競技場で対戦しますが、その香川代表寒川の応援したい5つのポイントを紹介します。
1.自然の中で心技体を向上させる学校生活
1974年開校の寒川。『誠実・勤勉・礼節』を校訓とし、3つのコースと看護科・看護専攻科を設置しています。コースの中には「スポーツ選択コース」を含み、学校として部活動に力を入れています。
特に野球部はこれまで夏の甲子園を2度経験しており、野球部OBにはソフトバンクの野村勇選手や、芸人・ココリコの遠藤章造さんらがいます。他にもゴルフ部や柔道部などが強豪として知られています。
2.人間力を磨き、快挙を成し遂げたサッカー部
寒川サッカー部は今年で創部40年目。今年プリンスリーグ四国に初参戦し最終的に10チーム中4位と、着実に力をつけているチームです。選手たちのうち7割以上が県外出身で、校内に構える学生寮で寝食を共にしています。
チームスローガンは『最後は人間性』。岡田勝監督のしんどくなった時こそ人間力が試されるという思いから、精神面を磨くことを大切にしています。過去には94回・95回の二度、選手権香川大会決勝まで駒を進めましたが、どちらも無得点に終わり準優勝。今大会決勝では三度目の正直で初優勝の快挙を成し遂げました。
3.夏のリベンジ!堅守“超”攻で掴んだ初優勝
11月9日に行われた選手権香川大会決勝。相手は今年夏のインターハイに香川代表として出場した尽誠学園。寒川は今年夏の県総体3回戦で延長戦の末2-3で敗れていました。
「セットプレーが勝負を分ける。何としても先制点を奪いたい」と話した岡田監督。チームスタイルである堅守速攻をこえた『堅守“超”攻』を一貫し、立ち上がりから4-4-2のシステムで積極的な動きを見せます。
キャプテン伊藤瑛規選手(3年)が攻撃の起点を作り、リズムを作り出します。互いに無得点で折り返した後半3分、フリーキックから稲谷優人選手(2年)のペナルティーエリア右側からの折り返しを、ゴール前で田北海翔選手(3年)が流し込み、待望の先制点を奪います。その後はGK谷山英悟選手(3年)が積極的なコーチングでDFラインを統率し、連係の取れた守備を展開。最後まで集中力を切らさずに1-0で勝ち切りました。
4.サッカーに全力で向き合う姿勢は歴代トップ!寒川イレブン
チームの中心選手はキャプテン伊藤選手とGK谷山選手です。就任14年目の岡田監督が「今まで見てきたどの世代よりも真摯にサッカーに向き合っている」と評する今年のチームの中で、精神的支柱を担います。真剣に練習に取り組まない選手がいると時には厳しい言葉を投げかけ、選手間で高め合っています。
2時間の練習時間に加えて、選手たちは朝晩毎日欠かさず自主練習を行っています。中でも田北選手と吉永琉惟選手(3年)は朝5時からシュート練習に励んでいます。岡田監督は宿直の日の朝、彼らのシュート音で目覚めるそうです。
5.チームを奮い立たせた応援団長の涙
夏の県総体3回戦で敗退した後、立ち直ることができずリーグ戦で3連敗を喫します。そんな中追い打ちをかけるように中野選手の大ケガが判明。涙する中野選手の姿に奮い立たされたチームメートは結束し、負ければ4連敗となる試合で3-0の快勝。さらに「中野を全国へ!」という思いで結束し、勢いそのままに香川県の頂点まで駆け上がりました。
CB廣畑寛汰選手(3年)は今大会ここまでの全試合、自分のユニホームの下に56番のユニホームを着用して出場しました。中野選手の想いも胸に、寒川イレブンがピッチで躍動します。
寒川の初戦は12月29日に行われる札幌大谷との1回戦。今年のチームが全国大会で掲げる新たなスローガンは『乗り越えろ』。激戦のCブロック、一戦一戦を堅守“超”攻で乗り越えて、その先に新たな歴史を創ります。
(取材・文 高校サッカー選手権民放43社/西日本放送)