◇東京マラソン2025(2日、東京都内)

東京マラソンで男子日本勢トップで駆け抜けた市山翼選手(サンベルクス)は、レース後パパの顔をのぞかせました。

青山学院大学の太田蒼生選手(4年)が日本勢で唯一世界のトップランナーが形成する先頭集団に食らいつく展開。池田耀平選手(Kao)やパリ五輪6位の赤崎暁選手(九電工)らがいる第2集団も日本記録を超えるペースでした。

市山選手は、「前半10キロは下りと聞いていたので、下りがあまり得意ではないので、この10キロをどれだけうまく走るかが後半につながってくると思っていた」と淡々と後続の集団でペースを刻み、40キロ手前で日本勢トップを奪取。

自己ベストを1分40秒ほど更新する2時間6分00秒の日本歴代9位のタイムでフィニッシュ。「タイムを狙っていたのでもっと先に日本人がいると思って走った。ゴール後に日本人トップだと言われて自分でも驚いている」と振り返り、「後半しっかり粘りきって日本人トップをとれたのは、今後の陸上人生につながってくるのかな」とすがすがしく話しました。

後半の粘ることができた要因はメンタル。「気持ちの部分でマラソンは後半響いてくると思う。妻と子供がいるんですけれど、“頑張れ”って前日や当日の朝にいただいていたので、それを思い出して走りました」と笑みを浮かべます。

レース後には妻から祝福のメッセージが送られ、「日本人トップはえぐいっ！！！！」「つんたん本当によく頑張ったね 素晴らしかったです！！！」と愛情たっぷりのメッセージを明かし、照れ笑いをみせました。

家族の存在は「とても原動力になっています」と話し、「日本人トップ獲ったよ！」と笑顔でパパの顔をのぞかせました。

市山選手は、中央学院大学時代に第94回箱根駅伝で2区を走り区間17位の成績。所属のサンベルクスでは、ニューイヤー駅伝でもチームの中心として走ります。2月の実業団ハーフマラソンでは、日本歴代8位の力走で優勝を飾っていました。

普段は週4日勤務で発注や品出しの仕事もこなしているとこと。この大会後は会社から1週間お休みをもらえたようです。

またコカ・コーラが大好きで毎日飲んでいるといい、「このあとも飲みます」と満面の笑みを浮かべました。