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卯辰山熱戦譜 高校相撲金沢大会 珠洲に元気を…飯田高校の快進撃も

2024年5月20日 18:55
卯辰山熱戦譜 高校相撲金沢大会 珠洲に元気を…飯田高校の快進撃も
きのう行われた第108回高校相撲金沢大会
能登からも4校、合わせて66校の相撲部が様々な思いを持ってしのぎを削り合いました。
その熱戦を振り返ります。

薫風そよぐ卯辰の土俵。
目指すは伝統の黒鷲旗。
きのう開催された高校相撲金沢大会。
今大会には全国66校が出場し、そのうち県内からは10校。

「我々選手一同は相撲道の精神にのっとり心技体を充実させ最後まで敢闘することを誓います」

その中でも特別な思いで大会に臨むのが元日の地震で大きな被害を受けた珠洲市の飯田高校です。
去年5月と、ことしの元日2度の地震の影響で練習場所の相撲場が大きな被害を受けました。

部員2人の自宅も全壊するなど生活すらままならない中、地元に元気を届けたいと先月からようやく部活を再開し、大会本番を迎えました。
波佐谷 兼諒 選手(先鋒):
「練習してきた成果を出して、一勝でも多く勝ちたいです」
船橋 竜乃祐 選手(中堅):
「一番最初なのでだいぶドキドキしてるけど、そこは落ち着いて、ちゃんと張り切って(相撲を)取りたいなと」
高木 幹太 主将(大将):
「珠洲とか奥能登の皆さんに元気を届けられるような相撲をしたい」

飯田の先鋒・波佐谷選手は44キロも重い相手に真っ向勝負でぶつかります。
この勝利に続けと中堅戦。
そして大将戦も勝利。

船橋選手と波佐谷選手の保護者:
「すごく嬉しいです。ね?」
「嬉しかったね~!本当にほっとした。元気出た」
「涙出た」

チームは勢いに乗って2回戦もすべて勝利し、3大会ぶりに決勝トーナメント進出!
学校からもおよそ30人の生徒が駆け付け、応援席は沸き立ちました。

♪飯田高 校歌「山幸海幸豊けきところ嗟嗟なつかし我等が郷土~」

高木主将:
「応援ありがとうございました。次もよろしくお願いします」

そして奥能登からはもう一校。
「やっぞ!能登町!!」

「自分はバスケ部です」
「自分も彼と同じバスケ部です」
「JRC部です」

唯一の相撲部員、畑下選手の呼びかけもあり、4人で出場することに。
「出れないと思ってたけど、出れて良かった」

初戦は2倍近くの体重差がある選手を前になす術がありません。
何とか一勝を。
その思いで臨んだ予選2回戦。

出場した3人全員が勝ち、念願の1勝を手にしました。
惜しくも決勝トーナメントには進めませんでしたが、全員で掴み取った1勝は価値あるものとなりました。

畑下征吾 選手:
「最高ですね。皆の応援もあって勝てて。最後にいい形で終われて良かったです」

地震で大きな被害を受けながら、健闘を見せた奥能登の2校。
その姿は多くの人に勇気を与えました。

ことしで108回を迎える高校相撲金沢大会。
角界で活躍する多くの力士が高校時代、この卯辰山の土俵で熱戦を繰り広げてきました。
新潟の海洋高校も津幡町出身の大の里や欧勝海など多数の力士を輩出しています。
監督の村山 大洋さんは大の里を中学・高校と指導してきました。

海洋・村山監督:
「地域の人たちも(大の里が)活躍してくれるおかげで、「相撲面白くなってきた」とか 「頑張ってくれ」という声がより一層もらえるようになって」

チームには角界を目指し、モンゴルからやってきた選手も。
トゥルボルド選手:
(Q尊敬する力士は)
「大の里関です」
「圧力があってすごい」
「将来は大相撲で活躍できるような力士になりたいです」

卯辰山から大相撲の世界へ、将来の躍進に期待です。

そしてここからは決勝トーナメント。
県勢は4校が進出しました。
去年、42年ぶりに初戦で敗退した金沢市立工業は巻き返しに期待がかかります。
初戦を全勝で勝ち上がり、迎えた準々決勝。
先鋒は2年生の大谷 夏希。
ここは、はたきこみで勝利。
勢いに乗りたいところでしたが、中堅、大将と敗れ、惜しくもベスト8で敗退。

一方、金沢学院大附属は前回王者の箕島を破り、ベスト4を懸けた一戦に臨みます。
相手はおととしまで3連覇。
今大会、王座奪還に燃える鳥取城北。

応援団の声援にも熱が入る中、先鋒は左ひざの故障からおよそ1年ぶりに復帰した篠 宗磨。

ここは押し出しで勝利。
しかし、中堅、大将が敗れこちらもベスト8で敗退となりました。

決勝は県勢を破った鳥取城北と熊本農業との一戦。
先鋒・中堅と勝利した鳥取城北が2年ぶりに団体戦を制しました。

能登のために勝ちたい。
将来は角界へ進みたい。
様々な思いを持った選手が挑んだ高校相撲金沢大会。
長い歴史を持つ大会にまた新たな1ページが刻まれました。

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