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選手登録から3カ月で3位入賞 日本代表に 2年後の冬季五輪の追加競技「スキーモ」出場目指す西川町の女性

2024年7月10日 17:51
選手登録から3カ月で3位入賞 日本代表に 2年後の冬季五輪の追加競技「スキーモ」出場目指す西川町の女性

パリオリンピックが近づいていますが、2年後の冬季オリンピックで新たな種目として加わる山岳スキー競技・通称「スキーモ」にスポットを当てます。この競技の練習を始め半年余りでW杯出場を果たした、山形県西川町の女性を取材しました。

雪山の急な斜面を登り勢いよくゲレンデを滑走!2年後の冬季オリンピックで新たな種目に追加された「スキーマウンテニアリング」通称「スキーモ」です。
決められたコースを自分の足で山登りをした後にスキーで滑走して降りるー。この周回スピードを競うヨーロッパ発祥のスポーツです。
この種目で2年後の冬季オリンピック出場を目指す女性が、西川町にいます。
山形市出身の青木聖美さん(28)。青木さんとスキーモとの出会いはことし1月です。

青木聖美さん「あけましておめでとうって友達から電話が来て、『さとちゃんがオリンピック出れそうな競技を見つけた』 と言われ、『じゃあやってみるわ』って言って、すぐ選手登録した。ノリと勢いで、友達が言ってくれた可能性を信じてひたすら練習をやってましたね」

子どものころから陸上やスキー競技に取り組むなど、体を動かすことが好きだった青木さん。好奇心旺盛な性格も相まって、すぐさま山岳スキー競技の選手登録を行うと、競技の練習をスタートさせました。登録からわずか3か月後に日本選手権で3位入賞、ことし11月から始まるスキーモのW杯女子日本代表に選ばれました。

青木聖美さん「W杯は9戦あるんです。そこで頑張んなきゃいけない。ぎりぎりでつかんだ代表だから」

オフシーズンの今、青木さんが取り組んでいるのは体力向上や足腰の強化です。上山市の蔵王坊平で日本代表のトレーナーと共にトレーニングに励んでいます。

青木聖美さん「みんながいるから、きつい辛い練習があっても最後まで頑張れるし、仕事も頑張れるし本当に感謝ですね」

この日、青木さんが向かったのはー。

青木聖美さん「全部スマホで撮ってるんです」

青木さんは数年前までユーチューバーとして活動していました。動画の撮影や編集は得意分野です。去年3月から西川町の地域おこし協力隊として、町のPR動画の作成に取り組んでいます。

町民「町のタブレットで西川町から大井沢まで車で運転したり。暇なときに見ています。いろんな映像あるんだね」

同じ協力隊のメンバーで同級生の晃奈さんと、ハンバーガーのキッチンカーも運営し、町を盛り上げようと奮闘しています。

町民「何年くらい?(1年くらい)それくらいなんだっけ?頑張ってほしい、五輪代表になったらすごい」
青木さん「めっちゃ楽しい!西川最高、みんないい人。 だから頑張れます」

青木さんの活動はこれだけではなく、陸上競技のコーチとして母校の子どもたちに指導もー。スキーモの選手、地域おこし協力隊、そして指導者の三刀流です。

保護者「やりたいことに全力。めっちゃ努力してるのも、体つきからわかる。頑張ってもらいたいし、子どもと応援してる」

青木さんは小学6年生の時、陸上の800メートルで今も破られていない市の新記録を打ち立てました。中学校でも陸上部に所属し、競技を続けていましたが、大事な大会の直前に、交通事故に遭います。大事には至らなかったものの、思うような走りができなくなり、それ以来、競技からは遠ざかっていました。

青木聖美さん「日本代表になる人って、子どものころから天才的な才能があったり、挫折がありながらもインターハイや国体に出ている人が多いけど、私には何もなくて。ただただずっと好きで続けてた走ること、山登り、スキー。山形で全部完結するような素敵なスポーツに出会えて」

競技を離れても、スポーツと向き合い続けてこられたのは家族の存在が大きかったと言います。

「競技はやめちゃったかもしれないけど練習を続けてくれていた自分がいるから。ありがとうって言いたい。W杯は通過点だから。みんなの応援と期待と、自分の人生悔いないように楽しんでいきたい」

目指すはミラノコルティア冬季オリンピック出場。今シーズンのW杯に向け、たくさんの人の応援を背に青木さんの挑戦が始まります。

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