箱根駅伝 前回最下位の山梨学院が狙う逆襲 予選突破の作戦には「団結力」が必須 5年連続38回目の本戦出場へ
■最下位からの逆襲 新指揮官で挑む
新春の箱根駅伝で一時代を築いた山梨学院ですが、前回の第100回記念大会は予選会を最下位(13位)通過。本戦も屈辱の最下位(23位)に沈みました。
来年の正月も箱路路に立てるのか―。
陸上競技部は2月、5年ぶりに新たな指揮官が就任。大﨑悟史氏(48)がコーチから駅伝監督に昇格しました。
大﨑監督は山梨学院大3年時、箱根駅伝10区で区間賞を獲得。2008年北京五輪のマラソン日本代表に選ばれましたが、直前の故障で出場を断念しました。
そんな大﨑監督に託された、5年連続38回目の箱根駅伝本戦出場。選手の自主性を尊重する指導方針で、チームは変わりました。
大﨑監督
「練習メニューや合宿地は選手と話し合って決めている。選手もそれを信じてついてきてくれた。春先から見ると少しずつ結果は出ている」
3回行う「夏合宿」は、例年と異なり、それぞれ別の場所で実施。常に新鮮な気持ちで合宿に臨み、筋持久力を鍛え上げる「足づくり」に徹底的に励みました。それでも―。
■「28分台」日本人選手は1人
高速化が進む近年の大学駅伝。各大学の主力級となる、10000m28分台以内のタイムを持つ選手は、山梨学院にはケニア人留学生2人と日本人1人しかいません。
10人の総合タイムで10校の通過枠を争う予選会。苦戦は予想されますが、村上大樹主将(4年)はチームの成長に自信を見せます。
村上主将
「4年生を中心に声掛けし、練習を引っ張ってこられた。そこにしっかり1、2年生がついてきてくれたのでチームの団結力は例年以上か今年が一番」
主将が胸を張る「団結力」は練習でも。1kmのコースを16周するトレーニングでは、村上主将を先頭に、ペースを変えながらグループで走破しました。
今季、重点に置く作戦は、留学生を除いた日本人選手の「集団走」。仲間でペースを確認し合い、タイムの底上げを図る狙いです。強固な団結力でチーム一丸となり、予選会のハーフマラソンを駆け抜けます。
村上主将
「今年は集団走。全員で集団で走れれば100点。自分は(集団の)引っ張り役を務めるので練習からしっかりチームをまとめ、本番を見通した練習ができれば(予選)通過は間違いない」
さらに、ケニア人留学生のスピードは健在。特にブライアン・キピエゴ選手(2年)は5月の関東インカレハーフマラソンで大会新記録を出すなど好調を維持。予選会全体1位を狙う中、チームへの大きな貯金を目指します。
また、チーム日本人最速のタイムを持つ平八重充希選手(3年)は終盤に集団走から抜け出し、コンマ一秒を削っていきます。前回本戦9区で区間22位に終わった雪辱を果たすために―。
平八重選手
「1秒でもタイムを稼ぐ気持ちで戦いたい。自分たちは絶対に箱根出場を勝ち取らないといけないチーム。必ず10番以内を勝ち取る。箱根で自分は前回失敗しているので、そのリベンジも含めて頑張りたい」
新監督の下、団結力で戦う予選会は19日。38回目の箱根路を懸けた挑戦が、幕を開けます。
(「YBSスポーツ&ニュース 山梨スピリッツ」2024年10月13日放送)
■エントリーメンバー
大西陸(4年)29分23秒20
髙田尚暉(4年)31分16秒66
土器屋快都(4年)29分57秒45
徳田秋斗(4年)29分17秒30
村上大樹(4年)29分20秒68
ジェームス ムトゥク(3年)27分23秒09 ※ケニア国籍
塚本陸斗(3年)30分07秒33
平八重充希(3年)28分51秒49
伊東駿(2年)31分26秒32
占部大和(2年)29分17秒03
ブライアン キピエゴ(2年)27分51秒65 ※ケニア国籍
和田瑛登(2年)29分06秒98
阿部紘也(1年)29分53秒22
大杉亮太朗(1年)29分54秒96
(タイムは10000m資格記録)