【特集】70歳演出家の夢舞台 新たな芸術ホールがオープン 初の音楽ライブに密着
様々なジャンルで使える芸術の拠点にしようと、秋田市に新たに生み出された芸術ホールの特集です。
番組では、先月、芸術ホールのオープンに向けて、防音対策などについて、試行錯誤しながら準備を進める男性を追いかけた特集をお伝えしました。
今月5日に幕開けを迎えた芸術ホール、早速、幅広く利用されています。
秋田市出身の演出家・山川三太さん70歳。
10代の頃に舞台芸術の道を歩み始め、いまは、地元を拠点に活動しています。
山川さん
「いろいろの工事をして、舞台幕をちょっと多めに吊り込んで、多分今日音出しても大丈夫だと、いまスピーカーだけだとほとんどフルにしても大丈夫くらいのにはなったんで」
山川さんは、秋田市にある、使われなくなった事業所兼倉庫を改装した芸術ホール「アートボックス卸町」の設計などを手掛け、芸術監督も務めています。
今月5日、舞踏家の麿赤兒さんの現代舞踊の公演で幕を開けたアートボックス。
天井に舞台セットなどを吊るせるよう設計されていて、幅広い表現ができるようになっています。
先週土曜日。
アートボックスのオープン記念として、2つ目の公演が開かれました。
東北を拠点に活動し、全国各地の音楽イベントにも出演しているロックバンド「ハロス」のライブです。
アートボックスでの本格的な音楽ライブはこれが初めて。
山川さんも熱が入り、直前まで確認を重ねていました。
山川さん
「まぁまぁまぁだな…やっぱベースは響くね」
本番はすっかり日が暮れた午後7時。
あとは、見守るだけです。
本番30分前、ホールが開場。
音楽ライブには、バンドのファンはもちろん、地域の人たちも訪れました。
本番中、照明の操作は山川さんが担います。
小規模なイベントに適したサイズの施設が県内に少ないという声を踏まえて生み出された、アートボックス。
ダンスや音楽、それに演劇など、ジャンルを問わずに自由に使える場所になることを山川さんは願っています。
ハロス 草階亮一さん
「どんどんどんどんいい箱(ホール)になっていくんだろうなと思って期待してます。皆さんもまた足を運んでいただければ、その日も早まると思います」
客
「なかなか見る機会というのが無いので、なのでこういう秋田で地元でこういうところができて、本当にありがたいと思ってます」
ミュージシャン 塚本タカセさん
「この近さとか、でもいい感じの距離感だなとは思いましたし、なんかね、息づかいが聞こえるようで、なんかみんなすごい音楽に集中できるような環境かなと思いました」
ハロス 諸越俊玲さん
「すごく声が多分通りやすいところなので、それがいいなぁってすごくいいなぁって思いますね。うんちょっと今後の動きに期待してます」
長年、舞台芸術の道を歩んできた山川さんの経験が存分に生かされて誕生した、新たな芸術ホール。
観客はもちろん、ステージに立つ人も満足できる、「舞台芸術の拠点」を目指していて、その輪が広がりを見せています。
山川さん
「もっといろいろ整備していければもっと使いやすくなるだろうしね。まぁまぁここからこれからですよ、はぁ、お疲れさまでした、はぁ、こえ」
工夫次第で何通りもの使い方ができる、アートボックス卸町。
芸術を志す人たちの期待を背負い、その歴史を刻み始めました。
アートボックス卸町は、19日土曜日の落語と義太夫の公演で、オープン記念を締めくくります。