AIが観光案内!? 人手不足の観光業界の救世主に 産官学連携で研究進む
新幹線時代のおもてなしの充実を目指して、人手不足が続く観光業界の課題を解決しようと、産官学がタッグを組んで対話型の人工知能・生成AIを活用する研究に取り組んでいます。(1月22日)
実証実験県都の玄関口・福井駅西口の観光案内所に設置されたディスプレイ。画面の中のキャラクターに話しかけてみます。
■記者
「あわら温泉までのアクセスを教えてください」
■チャットボット
「JR芦原温泉駅から車で10分。えちぜん鉄道あわら湯のまち駅から徒歩2分で芦原温泉街に行けます」
質問に対して対話型のAI「ChatGPT」が音声と文字で答える仕組みです。
■鯖江市の女性
「福井の駅前できれいな庭園ですとか見るところはありますか」
■チャットボット
「福井駅前エリアには美しい庭園として名勝・養浩館庭園があります」
観光案内だけでなくこんな使い方も・・・。
■鯖江市の女性
「福井に有名な武将がいたと聞いたんやけど誰かの」
■チャットボット
「特に知られているのが柴田勝家です」
AI・人工知能を活用して観光の課題を解決しようと、福井工業大学や県内企業それに県観光連盟がタッグを組んでシステムを開発しています。生成AIには、観光客へのアンケートで満足度の高かったポイントなど2万件のデータと、県内の1000か所近くの観光エリアの情報を学習させています。
■福井工業大学 大学院 谷口諒矢さん(2年)
「年代や趣向だったり、何回も来ているか初めて来た人かで行きたいところが変わってくるので、需要に合わせたものを考えるのが難しい」
新幹線開業を控える県内ではコロナ禍が落ち着き観光需要が回復に向かう一方で、人手不足が課題となっています。また、医療や介護分野でも少子高齢化が進んでいることから、人工知能・生成AIの活用を模索しています。
■福井工業大学 大学院 大門諒大さん(2年)
「地方の医者の数が少なくて、それに対して患者が多く医療現場のひっ迫につながっていて、本当に診察が必要な人が診察を受けられなかったり人手不足があるので、そこにAI・GPTを使ったシステムを導入することでそのような問題を解決できる」
この他県内の文具店では、ベテラン店員の知識を持ったAIによる接客の実験も。
■川島秀成キャスター リポート
「書き心地のいいおすすめのペンはありますか」
■チャットボット
「一番人気の文房具はジェットストリーム単色です」
人間に近い回答を導き、現場の負担を和らげる生成AIの活用。専門家は「使いこなす力」が重要だと指摘しています。
■福井工業大学 芥子育雄教授
「日本の国家試験を合格するレベル。司法試験も上位何パーセントレベルで、専門分野に限定すればものすごく知識を持っています。それに対して、知らないことでも答えようとしてしまうところが問題があって課題。原理を理解したうえでGPTを使うところが重要」
新幹線時代に向けてAIの大きな可能性を模索する取り組み。うまく活用しておもてなしの充実につなげようとする動きが進んでいます。