適切だった?予防的通行規制 県の南北を結ぶ道路網が長時間寸断 “安全確保”と“社会経済活動”
今回の大雪で県の南北を結ぶ道路網は18時間にわたって寸断されました。道路管理者は除雪作業のために事前に道路を通行止めにする「予防的通行止め」の意義を強調しています。(1月25日)
24日午前。北陸自動車道の武生インターチェンジ(IC)には「通行止」の文字が。周辺には通行止めの解除を待つ大型トラックの列ができました。
■大阪に向かう人
「予防っていってもどうしようもうない、こればっかりは」
■岐阜に向かう人
「(国道)8号も通行止めみたいで、抜け道がどこにもない。どっちかは通れてほしい、最低でも」
丹南や嶺南を中心とした今回の大雪。県内の主要ルートが相次いで通行止めとなりました。高速道路は北陸道の武生ICから滋賀県の長浜ICが、舞鶴若狭道の敦賀JCTから若狭美浜ICが24日未明から通行止めとなりました。また、北陸道として並行する国道8号は越前市の白崎交差点から滋賀県長浜市までの区間が、国道365号は南越前町今庄から敦賀市余座までの区間がそれぞれ通行止めとなり、24日午後7時に北陸道の県内区間の通行止めが解除されるまで、およそ18時間にわたって南北が寸断された状態が続きました。
大雪が予想される際、事前に幹線道路を通行止めにして集中的に除雪する「予防的通行規制」。2018年の記録的大雪で大規模な立ち往生が発生したのをきっかけに、国土交通省は大雪の道路管理の方針を大きく転換しました。長時間の立ち往生を防ぐためにも、一定の時間通行止めにして集中的に除雪した方が、結果としてより早い復旧につながるという考え方です。
ただ、通行止めが長期化すれば生活や物流への影響は避けられません。敦賀市内の食品スーパーでは24日、おにぎりや惣菜、生鮮食品などが正午ごろになっても入荷されない事態となりました。
今回の対応について、杉本知事は次のように述べました。
■杉本達治知事
「大変遺憾ではあるが、ある程度やむを得なかった。できるだけ早く(道路を)開ける。2経路あるんだったら1経路だけでも動かす。交互に動かすことを計画では持っているので最善を尽くしていく」
県内の国道や中部縦貫道を管理する国土交通省福井河川国道事務所は「早めの通行止めに抵抗があるのは承知している。最悪の事態を想定して予防しているので、大雪の時は外出を控えてほしい」と協力を呼びかけています。
大雪のたびに繰り返される交通網のまひ。安全確保と社会経済活動をどのように両立させるのか。最低限の迂回(うかい)路の確保や適切で丁寧な情報発信など、利用者目線の対応も求められます。