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【人が住む家で県内初】熊本市で行政代執行 解体工事始まる

2023年11月21日 18:27
【人が住む家で県内初】熊本市で行政代執行 解体工事始まる

人が住む住宅として初めて県が強制的に撤去する「行政代執行」。対象となった熊本市中央区の住宅で、21日から解体工事が始まりました。

■県用地対策課・下﨑浩一課長
「本日から建物の解体工事に着手いたします」


解体工事が始まったのは、熊本市中央区西子飼町の都市計画道路沿いにある木造住宅です。21日朝、県と市の職員、解体業者らが障子やふすまなどの建具を外す作業に取りかかりました。

70代の姉妹2人が住んでいたこの住宅。道路拡幅に伴う移転交渉が進まず、3年前に県の収用委員会で熊本市への明け渡しが決まりました。

県は強制的に撤去する行政代執行に着手し、姉妹は退去。市は移転先として市営住宅を用意しましたが、姉妹は入居を拒否し、現在、熊本市内のホテルで生活しているといいます。作業の様子を見に来た姉妹は…。

■退去した女性
「住むところがないので一応裏の建物だけは残してください、建具を残して裏の建物は残してくださいとだけ伝えました」

住宅は代執行の対象ではない部分にもかかっていますが、建物が老朽化し、一部を残すと危険だという判断から、すべて解体されます。



■県用地対策課・下﨑浩一課長
「残地は残るので、供託している補償金もあるので、そういった物を活用しながら再建ということで、我々もしっかり義務者に寄り添って今後に向けて相談させて頂ければと思っています」

解体にかかる費用は姉妹に請求されます。熊本市が姉妹に支払う土地代や住宅の移転費用などの補償金は姉妹が受け取りを拒んでいるため、熊本地方法務局に供託されているということです。

解体工事は年内に終了する予定で、この区間の道路整備は2025年度末までの完成を目指しているということです。