イタイイタイ病患者の生涯を「ひとりがたり」で伝える富山の女性が講演 公害を考える研究会
日本で起きた公害について考える研究会が17日、熊本大学で開かれ、四大公害病の一つ、イタイイタイ病について「語り」で伝える講演も行われました。
この研究会は、公害の記憶や記録を環境問題に生かすきっかけにしようと開かれました。学生や公害病の研究者らを前に講演を行ったのは、富山県在住の金澤敏子さんです。
四大公害病の一つ、イタイイタイ病が発生した富山県。鉱業所からの排水に含まれるカドミウムによって汚染された飲み水やコメを通じ、腎臓障害や骨がもろくなる被害が広がりました。
富山県の放送局でこれまでイタイイタイ病などテレビやラジオのドキュメンタリー番組を数多く手がけてきた金澤さん。2021年からは患者の一人、小松みよさんの生涯を富山弁で語る「ひとりがたり」でイタイイタイ病のことを伝えています。
■金澤敏子さん
「その時からやっちゃー息をするにも痛いし、深呼吸しても痛いし、針で刺すようにチクチク…全身、全身が響くが痛い」
このほか、水俣病の語り部をしている杉本肇さんと金澤さんによるトークセッションも行われ、ひとりがたりや語り部などの取り組みは、患者や当事者の思いを語り継ぐために必要なことと訴えました。