富山県道路情報サイトに導入 AIで路面積雪判定 開発現場は
富山県は今年度、人工知能=AIを活用し、県が運営する道路情報サイトで路面に雪が積もっているかどうか一目でわかるようにしました。開発の現場を取材しました。岡川記者のリポートです。
これは、富山県が運営する道路情報サイトです。画面上のアイコンは、県内に161基設置されている道路の監視カメラがある地点を示していて、クリックすると、その地点の現在から10分前までの画像を見ることができます。2023年11月にリニューアルされ、路面に積雪がある地点は濃い青色、積雪がない地点は水色のアイコンで表示されるようになりました。積雪があるかどうかの判定は、人工知能=AIが自動で行っています。
この仕組みは県の協力のもと、富山大学の立石良研究室が金沢市の民間会社と共同開発しました。
富山大学学術研究部 都市デザイン学系 立石良准教授
「実際に富山県の道路カメラの画像をたくさん用意して、こっちは雪のある道路だ、こっちは雪のない道路だという風にグループ化してやる。それをAIに読み取らせて深層学習をする」
開発には研究室の学生も参加。昨シーズンの道路カメラの画像を400枚以上選び、数か月かけてAIに学習させたところ、およそ85%の精度で積雪を検知することができるようになりました。
富山大学4年 西嶋音々さん
「(積雪部分を)綺麗に枠で囲っててくれたら、よかったなって思います」
記者
「育て親みたいな」
「そんな気持ちです」
県は、AI導入の恩恵は大きいとしています。県は2021年1月の豪雪を受けて2022年度には、道路の積雪や混雑状況がわかる監視カメラをおよそ100基増設しました。しかし、カメラの台数が倍増したため、人の目で全てをチェックするのが困難な状態でした。
県土木部 梶川隆則道路課長
「各出先の機関で除雪の出動とか判断してるんですけれど、見落としなく確認して、出動の指示とか、業者さんの出動の判断の材料になるのかなと思います」
県は除雪業者や市町村に対し、AI導入の影響についてのアンケートをとっていて、回答内容を精査し今後に活かす考えです。