手作りツリーに子どもたちの「あい」 穴水駅で“能登を元気に”アートプロジェクト
のと鉄道穴水駅に訪れた人を迎えてくれる大きなクリスマスツリーが立っています。自分たちの手作りツリーで能登を元気にしたい…子どもたちの思いがこもったアートプロジェクトに密着しました。
のと鉄道・穴水駅の待合室。天井に届きそうな大きなツリーを飾る手作りのオーナメント。
12月3日。
「せーの!くしゃくしゃ」
穴水小学校の図工の授業。
「ともだちをつくろうと思います」
児童たちがつくるのはクリスマスツリーの飾り、その名は“ともだち”。テーマは「あい」です。
担任:
「大切にできたらいいなと思うので『大切にする』とか『好き』とかという意味の愛」
子どもたちがそれぞれの「あい」について考え、思い思いにクラフト紙を切り取ります。
「野球が好きだからバット」
「お洋服が好きなの?おしゃれが好きなんだね」
“自分らしさ”や“自分の好きなもの”…子どもたちのアイデアが徐々に形になっていきます。
児童は:
「自分自身をテーマにして作りました。救急箱と絆創膏、けがした人がいたらすぐ助けるように」
それぞれの思いが詰まった特別なともだちが完成しました。
「こんにちは~!」
画面の向こうにいるのは金沢大学附属小学校の児童たちです。
能登に元気を届けたいと同じテーマで遠く離れた金沢から“ともだち”づくりに挑戦していました。児童たちがオンラインでお互いの作品を紹介します。
「ほっぺの位置にあるピンクのギザってしたものはなんですか?」
「ほっぺです」
「私の『あい』は『たすけあい』」
「かわいい~!」
穴水と金沢。児童たちの「あい」が詰まったオーナメントが1本のツリーを飾ります。
そして迎えたクリスマスツリーのお披露目の日。穴水駅には金大附属小の児童たちも駆け付けました。
いよいよみんなの“ともだち”が1本のクリスマスツリーに取り付けられていきます。
「どこがいい?そこ」
「向きそれでいい?オッケー」
金沢の児童が作った“ともだち”には、地震に被災した能登への思いも込められていました。
「これです」
「ハート。好きだから能登が」
「地震で勇気がなくなっちゃった人とかに見てもらいたい」
そして2時間後…穴水と金沢の子どもたち、総勢109人の思いがこもったクリスマスツリーが完成しました。
「すごい大きい!きれい!」
「家にあるクリスマスツリーだらこういうの見られないから」
児童は:
「同じ作品作って、一つのクリスマスツリーに飾って、素敵なクリスマスツリーができて嬉しいです」
「もちろん穴水町の人も見てもらいたいし、輪島市とか珠洲市とかの人に見て元気になってもらいたい」
穴水駅の待合室にたてられた「あい」のツリー。
地元の人は勿論、ここを訪れる災害ボランティアや復興支援で全国から駆け付けてくれた人たちの心を明るく、温かく照らしますように…子どもたちのそんな願いが詰まっています。
シャンデリアアーティスト・キム ソンヘ さん:
「これを見て、たのしい気持ちになってくれたらいいなと、復興のためのシンボルで、明るい夢がたくさん詰まった存在になればいいと思います」
穴水と金沢。それぞれのこどもたちが、このプロジェクトを通して感じた「あい」が一カ所に集まり、一本のクリスマスツリーとなって能登を照らしています。